【知らないとやばい】非定型大腿骨骨折の最新知見はコチラ。

久しく、非定型骨折(AFF)の知識アプデしてなかった・・。
AFFの定義から見直した方が良さそうね


AFF
外傷なしか、軽微な外力で大腿骨骨幹部に発生する特異的な骨折の総称

意外と定義広いな・・。

この記事のメインの参考文献
非定型大腿骨骨折に対する治療戦略, 王 耀東; 整形外科・災害外科 64: 1301-1308, 2021


網羅的にAFFをカバーしながらも、ご自身が考案された分類をわかりやすく記載しておられます。

秀逸なので、是非、原文をご確認ください!!






2013年アメリカ骨代謝学会タスクフォース 改訂版

ここまでは、事前になんとかついていけてました。。
参考文献
Shane E et al; J Bone Miner Res 29 : 1-23,2014
改訂が行われた際に、ポイントとなったのがビスホスホネート製剤の使用の文言が削除されたことです。

「非定型骨折=ビスホスホネート製剤の使用」みたいな流れが一掃されたのを覚えています。(いまだにこのイメージが強い先生もおられますが・・・)

もちろん、骨代謝回転を下げる可能性がある薬剤として、あげられる薬剤のうちの1つであることは間違いありませんが、非定型骨折を診断する際にその使用歴がマストではないということです。

最低限これだけは覚えておきたい、骨代謝回転に影響を及ぼす薬剤

少し話が逸れますが、骨代謝回転に影響を及ぼす薬剤としては以下が挙げられています。

  • ビスホスホネート製剤
  • デノスマブ
  • 糖質コルチコイド
  • PPI

PPIの使用は、NSAIDSとの併用をされている症例をそこそこ見かけます。

PPIが骨代謝に影響を及ぼす理由は、

  • 腸からのカルシウム吸収を抑制する
  • 破骨細胞の働きを阻害する


とのことです。

目から鱗の 「Oh理論」

ここで問題になるのが、非定型骨折という括りのなかで、ビス剤などの骨代謝に影響を及ぼす薬剤の使用がある人とない人がいるという難しさでした。

そもそも、ビス関連骨折と言われるくらいだったのに、薬剤が関係しないならそれって一括りにしていいのか?っていう違和感がありました。

ここに注目されたのが、今回取り上げた参考文献のOh先生です。

Oh理論の特長は、

  1. AFFを典型的AFFと彎曲型AFF(SBF)の2つに分けた
  2. それぞれの特徴・病態を表現
  3. 治療方針にまで反映

です。

それぞれの特徴です。
彎曲型AFF(SBF)
  • 骨幹部骨折が一般的
  • 骨幹部彎曲変形
  • 骨代謝回転異常をおこす薬剤使用は問わない
  • 骨代謝回転に異常がなく、遷延癒合リスク低い
  • 大腿骨近位部骨折リスク高い
典型的AFF
  • 転子下、まれに骨幹部中央
  • 頸体角が小さい傾向あり
  • 骨代謝回転異常をおこす薬剤使用は必須(3年以上)
  • 骨代謝回転に異常があり、遷延癒合リスク高い
  • 大腿骨近位部骨折リスク低い


秀逸!目から鱗!!絶対読むべき論文!


参考原著では、上記特徴を踏まえた治療方針を記載されており、絶対に読むべきです!

もう一回参考文献

参考文献
非定型大腿骨骨折に対する治療戦略, 王 耀東; 整形外科・災害外科 64: 1301-1308, 2021




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