非定型大腿骨骨折(AFF)シリーズの続きですね。
AFFを疑った場合、中止する人がほとんどだと思うけど、実際リスクは下がるんかいなっていう話です。
参考文献
Schilcer J et al. N Engl J Med 364 : 1728-1737,2011
まずは、ビスの内服期間とAFFについてです。
BP内服期間とAFFの関係
BP内服期間とAFFの関係については、下記を参照してください。
AFFの歴史おさらい
- 2007年に初めて報告される
- FDAは2011年の調査後に3~5年を超えてBP治療を継続する適応を再評価するよう勧告
- このとき、同時に「高リスクの患者では薬剤の中止が望ましくない場合もある」と指摘
- 2014年にASBMRタスクフォースは関連文献を再調査し症例定義を一部訂正。BP使用の相対リスクは2倍から128倍と報告により大きな差があったこと。BP使用の絶対リスクは3.2~50例/10万人年であり、BP使用期間が長くなると(3年以上、中央値は7年)2倍になり、中止すると減少すると考えられたことを報告
- 米国のAACEのガイドラインでは、骨折のリスクが中程度の患者ではBP治療を開始して4~5年後、高リスクの患者では10年後にドラッグホリデーを提案
- 英国のNOGGは骨折の既往がなく、ドラッグホリデーを提案するケアパスアルゴリズムを開発し、対象患者には、1.5~3年後にBMDとFRAXを繰り返し評価することを推奨
記事としてはこちら
【復習】非定型大腿骨骨折を、もう一回整理し直したてみた
つまり、全体を見渡すとおおかた3年から5年くらいがAFFリスクを考慮した見直し期間ですよって感じです。
休薬するとどれくらいリスクは下がるのか?
- 中止後1年ごとに70%ずつリスクは低下
- もっとも劇的に下がるのは中止1年目以降
- 具体的にはBP非内服と比較してAFF相対リスクは中止後1年目で43、1年目以降で3.5になる
問題点として、フォロー期間が期間が短く、推定値が過大評価されている可能性があるとのことでした。
参考文献
Schilcher J, Michaëlsson K, Aspenberg P. Bisphosphonate use and atypical fractures of the femoral shaft. N Engl J Med. 2011;364(18):1728–1737.
13.
Schilcher J, Koeppen V, Aspenberg P, Michaëlsson K. Risk of atypical femoral fracture during and after bisphosphonate use. N Engl J Med. 2014;371(10):974–976.
Schilcher J, Koeppen V, Aspenberg P, Michaëlsson K. Risk of atypical femoral fracture during and after bisphosphonate use. N Engl J Med. 2014;371(10):974–976.
とはいえ、個人的には1年の休薬でも70%ずつリスク低下し、理想は1年以上くらいという認識で捉えています。
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