たまには、ちゃんと整形外科ネタが入りますね。。
人工骨頭挿入術は、整形外科では大腿骨頸部骨折で主に行われている術式かと思います。
まれに、脚長差(LLD :leg length discrepancy)が問題になることがあり、長くなることによるトラブルが散見されます。
あらためて、LLDについてまとめると、
- 10mmまでのLLDは多角的な成績や歩様に影響与えない?(人によって20mmという人も?)
- 20mmから30mm違うと、歩行時の心拍数や分時間器量、大腿四頭筋筋活動量が上昇する
- 上記理由から高齢者で予備能力が少ない人は歩けなくなる人もいる
- 30mm以上違うと患側凸の腰椎側弯が生じやすくなる
参考文献
Gumey B,et al :JBJS A 2001 83 907-915
森本 忠嗣ら 整形外科と災害外科 2010 59 586-589
Maloney WJ, et al J Arthroplasty 2004 ; 19 108-110
Turula KB,et,al. Clin Orthop Relat Res 1986;202 163-168
森本 忠嗣ら 整形外科と災害外科 2010 59 586-589
Maloney WJ, et al J Arthroplasty 2004 ; 19 108-110
Turula KB,et,al. Clin Orthop Relat Res 1986;202 163-168
股関節の人工骨頭、人工関節の脚長は、ある日突然変化するために、その影響力は大きいと言えます。
脱臼予防のために、テンションあげるとオフセットと脚長で調整せざるを得なくなって、伸びやすいですよね
人工骨頭のほうが調整しにくいかもな
参考文献
人工骨頭置換術において術前歩行状態が術後脚長差に及ぼす影響 服部 勇介ら 中部整災誌 2021 64 289-290
筋緊張に注目した視点
脚長差の原因として、私の乏しい知識では「高齢女性の場合、骨格が小さく日本人にあったインプラントの存在が少ないために髄腔のfit感をもとめると、ネックが長くなりやすく、患肢の脚長が長くなりやすい」という認識でした。
この文献にもあるように、近年脱臼予防に筋温存が図られるようになると、テンションが維持でき、脱臼予防に有効であることが言われています。
しかし、体感的にも痩せた人の梨状筋を温存してもペラペラの線維が残るだけで果たして脱臼予防に貢献するのか?と感じたこともあります。
この点においても、転倒前に歩行ふくめた活動性を維持していた人は、脚長を伸ばさずにテンションを保てる可能性があると言えます。
こちらも読んでみて
コメントをどうぞ