【反省】大腿骨転子部骨折の術中側面subtype Nは整復不良

お仕事整形外科医です。


大腿骨転子部骨折の術後整復位評価として、側面のsubtype分類が頻用されます。

引用文献
生田拓也:大腿骨転子部骨折における骨折型分類について.骨折,24:158―162,2002.
もともとはCHSの骨接合に対して提唱された分類ですが、髄内釘においても同様の結果が得られることがわかってきています。






大腿骨転子部骨折の側面像

術中に確認できるのは、真側面(水平像)とtrue lateral viewと呼ばれる画です。


trueはラグスクリューの位置が骨頭のどの部分に入っているかを確認する際に主に使用されます。


一方、水平像は、側面subtype分類を評価する際に用いやすい画です。


しかし、術中の管球の振れる角度には限界があるため、術中イメージでsubtype Nでも実はsubtype Pという骨折があります。


実際に術中subtype Nが術後にsubtype Pになる症例があるため、必ずsubtype Aまで持っていくように勧める論文も散見され、この緩急で見れる範囲に限界がある問題が影響しているように感じています。


やはり、信じるべきはイメージよりも指先感覚であり、イメージでsubtypeNは迷わず前方をあけて整復した方が良さそうです。

術前に大腿骨の側面の弯曲を評価する

高齢者の場合、側面像が大きく前方凸に弯曲している症例にでくすことがあります。


前方凸がつよいと、髄内釘の遠位が骨幹部の前方皮質にあたるため、骨幹部側の髄腔の真ん中に髄内釘のセンターがきた場合には、自ずと遠位骨片が近位骨片よりも前にシフトしてしまい、subtype Pになりやすくなるなんてことも起きそうです。(これは完全に私見で、不確かです。)

まとめ

いずれにせよ、術中イメージでsubtype Nは整復不良であることは、今後も心に刻み手術に臨んでいきたいものです。





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