【疑問】医師が「営業を受けるメリット」の少なさ

お仕事整形外科医です。


普段からお世話になっているMRさん、つまり製薬会社の営業マンさんについて先日疑問に思うことがありました。


新型コロナウイルスの影響もあり、病院に来れなくなっていたのですが、先日私が勤めている病院でもやっと面会が許可され久しぶりにお話しました。


その際、「メールアドレスを教えてもらえませんか?」と聞かれたのです。

2ヶ月くらいお会いしてなかったけど特に不便は今のところなかったという説wwww

存在価値とは・・・?





MRさんに感じた違和感

メールアドレスを聞かれた時にふと、「なんのメリットがあるんだろう・・・。」と感じてしましました。


今や、個人情報は価値がある時代です。


マーケティングを行う上でも、見込み客獲得のために情報を得ようと、ショッピングセンターでは「無料のくじ引き!」があったり、子供向け商材ではしばらく無料で送られてくる、ネット上ではあるところまでは無料で使用できるなどユーザー側のメリットと引き換えに情報を提供しています。


では、MRさんにメールアドレスを提供するメリットとはなんでしょう?


「新しい薬の情報がもらえる?」「緊急の副作用の情報がもらえる?」などでしょうか?


もともと、メールアドレスを提供しなくても、MRさんがきてくれて提供してもらっていたものばかりです。


また、副作用情報については、メールで提供されて早期に知ることで、患者さんにもメリットがありますし、製薬会社も手間が減ります。


でも、これは医師のメリットはなんでしょうか?


たしかに、診療で困ることは減ります。


でも、製薬会社の分だけメールが増える・しかも利用規約もなく、情報を売られても文句言えない・製薬会社は合併したり、薬の販売元が変わったりしたときにメールアドレスはそのまま移管される可能性があるなど、デメリットが多いことに気づきます。


その辺の「規約」もなしに、営業マンが「メールアドレスくれ」ってアホかって感じ。

そこまでは言わんでも、会社としてルールは作って欲しい。
医者をなめないで欲しいね。

今後、MRさんはかなり厳しい仕事だね・・・。

そもそも、営業マン。つまり「営業」であれば、顧客は医師なわけです。


しかし、10年前とくらべて、とくに勤務医はどこの製薬会社の薬を選択しても、それほどメリットがありません。


処方を増やしても、とくに給料が変わるわけではありません。


また、接待はもちろん、今や弁当(一部勉強会にくっついているものもありますが今後規制される可能性があります)もボールペンも、論文の提供すら制限されています。


もちろん、患者さんにメリットがある。それが医師のやりがいや、業務の改善に繋がることもあります。


しかし、それ以外に顧客である医師にとくにメリットがないのに「営業される」ということに、他業界の「営業」との違いに非常に違和感を感じます。


そして、メリットが少ない「営業」ために、医師はMRさんに時間を提供しています。


なかには、提供する時間に合わない情報しか持ってこないMRさんも見られます。


こうなると、医師側からすると、MRさんと会うことに何のメリットがあるのか分からなくなります。


だったら、「ログインするだけでポイントがもらえるM3.comに登録してそこから薬の情報を得ますよ。」となってしまいます。


何事においても、人の目を集めて時間を使ってもらうことにはお金がかかる・発生する時代です。


そんなときに、話を聴く側の、ただでさえ忙しくて時間のない医師に時間を作ってもらうために、どうしていくのか?はMRさんの腕の見せ所なのかもしれませんが、私には思いつきません。


整形外科の器械系メーカーの営業マンであれば、手術が楽に行えるようになる便利なツールや新商品に医師はメリットを感じるけどな・・・。

薬は本当にメリットが感じにくいです。

まとめ

少々乱暴な展開だったかもしれませんが、MRさんは、今回の新型コロナウイルスの問題を機に、その存在意義が再度問われていると思います。


このまま営業マンとして続けていくかどうかも視野に入れている人がいるというのも耳にします。


製薬メーカー含め、今後「医師にどのように情報を提供していくのか?」はしばらく重要な課題となりそうです。





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