【重要】骨折の診断は専門医でも難しい!

お仕事整形外科医です。


よく、研修医や若手の整形外科医の先生から「骨折の診断が難しい・どうすれば良いか?」という質問を受けます。確かに、日常診療でも遭遇する頻度が多いわりに、割と悩むことが多い部類に「骨折の診断」があります。

よく症例検討で、「どこが折れてるでしょう?」ってやつあるよな!!

「実際にはレントゲンのみで診断しろ」という方が難しい





専門医でも骨折の診断は難しい

正直申しまして、いまだに悩むことが多々あります。


相談をうけると、多くの若手の先生方は「骨折がない」という判断が一番難しく、また「見逃したらどうしよう」という不安が多いように感じます。


「誰が見ても明らかに折れてるよね」ってやつは、逆に「骨折」の診断はイージーです。


「骨折を見逃さない!」系の本をみると、かなりマニアックな骨折を扱って不安を煽っているようなものも見受けられます。


でも実は、 日本整形外科学会のシンポジウムなどでも「〇〇骨折を見逃さない!」みたいなタイトルがついてるときがあるくらい、専門医でも骨折の診断は難しいのです。です。


また、単純レントゲンのみでは診断がつかない骨折もあります。


大腿骨近位部骨折の一部、舟状骨骨折の一部や高齢者の仙骨骨折などは典型例です。


施設の設備的制約から診断すること自体が難しいものもあるため、それを医師の力量のみで完全にカバーするのは無理があります。


さらに、よく見る「骨折どーこだ!」系の本では、単純レントゲンはありますが、身体診察や受傷起点が書いてないこともあります。


整形外科医は、痛みの部位・受傷起点・身体診察で検査前確率を上げまくってからレントゲンをチェックしています。


レントゲン以外の情報がないと、どこにピントを合わせて観察すればいいかわからなくて、かなり難しい読影になります。(私は、これをピンボケと読んでます)


まとめますと、

  1. 専門医でも診断が難しい骨折がある
  2. 施設の設備的な問題もある
  3. 検査前確率が上がってないと難しい(ピンボケしてしまう)


これらの問題を解決するために実際どのように診察しているか振り返ってみました。

実際のところ、どうしてる?

まず1ですが、診断が難しい骨折を知っていることで、対処していると言えます。


骨折にはそれぞれ受傷場所によって頻度がありますし、ほっとけない物がある程度決まっています。


例えば、舟状骨骨折はレントゲンでは診断が難しいことがあるため、レントゲンではっきり骨折がなくても、MRIにつなげる。


当日取れないなら、それまで外固定したりして待機する。


すくなくとも、「大丈夫!といって予約を取らない」なんてことはしないということです。


次に2ですが、施設の設備の問題もあります。


その場合は、「設備のあるところに送る」か「経過観察することで診断に結びつける」の2択です。


「いや、送ればいいじゃん」と思われる都市部の先生もおられるかもしれませんが、田舎にバイトにいくと、本当に周辺に病院がなく、「バスに2時間揺られて大病院へ、、、」なんてところもあります。


さらに、「近くに骨折をみてくれそうないい規模の病院がない」とか、「そのためだけに大きな病院に予約とっていくのが大変」などという家族の要望などにより、経過観察をして診断に結びつけるということもよくあります。


先ほどの舟状骨骨折の例では、初診時に骨折がはっきりしなくても、舟状骨骨折はMRIでないと、とくに初期ではわかりにくいこと、放置すると手根骨配列の変形につながり大変な目に合うことを説明して、疼痛が2、3週しても残存するかを確認します。


残存していれば、さすがに手間をとってもらい大病院へ紹介受診していただくか、検査だけでも行ってもらいます。


ここで大切なのは、経過観察期間中は骨折の診断がはっきりしていないくても、外固定しておくことです。


その理由は、最悪骨折していても、固定してあったのであれば初診時にプライマリーケアとして行うことは同じだからです。


下肢骨折疑いの場合には免荷してもらうこともあります。


このように、丁寧な説明と、最悪折れてても大丈夫なように、ややオーバーとも取れる経過観察を行うことでトラブルを避けています。


この辺については、大体決まった骨折でこのような方向性をとりますので、やっているうちに定型化していきます。


3は丁寧な診察に尽きると思います。


難しいものほどこそ、丁寧に診察・丁寧に説明です。


一番良くないのは、よくわからないのに適当に診断名を告げてしまうことです。


患者さんの中には、はっきりと診断名を聞くこと自体に信頼や安心を求め、「診断名を言うものこそが名医!」といった風潮も見られます。


(接骨院さんの一部にもちょっとよくわからない病名を告げながら患者さんからの信頼を得ている人もおられます)


しかし、その大きな弊害は、患者さんが変に安心して通院することをやめてしまうところにあります。


「後医は名医」といいますが、後医が前医と別である必要は決してありません。


前医も後医も自分であることで患者さんとの信頼を獲得することも名医への道と言えると思います。

まとめ

なんといっても、丁寧・正直であることだとおもいます。


わからないことを、わからないと正直に伝えることが「誤り」を防ぐ一つの方法ではないでしょうか?





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