【足関節】ATFL損傷の新鮮例と陳旧例の診断方法の違い

足関節捻挫で一番多くみるのが、ATFL損傷(前距腓靭帯損傷)です。

もともとは、身体所見で診断することがほとんどでしたが、近年はエコーでの診断が主流となりつつあります。

ATFLの描出の方法は、

  • 腓骨遠位から横断面で遠位方向に追って行く
  • 腓骨の形状が変化するところで足底と平行になるように(足関節中間位で)プローブ腓骨側を中心に回す
  • 距骨側のなだらかな骨形態をきれいに描出する

といったところでしょうか・・・。

なかなか、自信がもてないときもいまだにありますが・・・。


今回はATFL損傷の深掘りです。

参考文献
関節外科Vol40.10月増刊号 2021 P144-P154



ATFLの損傷度

ATFLはⅠ度の微細損傷で動揺性なし、Ⅱ度の部分断裂で動揺性あり、Ⅲ度の完全断裂で動揺性ありに分かれます。

ポイントは、

  • Ⅰ度は動揺性がなくfibrillar pattern異常と異常血流で診断する
  • しかし、異常血流は受傷直後には見られず、数日してからでないとカラードプラで確認できない
  • ⅡとⅢ度は動揺性があるためストレステストが重要

ATFLの損傷のストレステストの方法は新鮮と陳旧性で変えた方がいい!?

実際の臨床において、特に受傷直後では痛みのためにストレステストで筋緊張が出過ぎてうまく評価ができない場面に遭遇します。

そもそも、新鮮例と陳旧例ではストレスのかけ方を変えた方がいいようです。

新鮮例
  • 新鮮損傷では検者の手で患側の脛骨を上方(天井)方向に持ち上げて後方ストレスをかける
  • 踵をつけてそのまま手を離すことで自重で前方ストレスをかける
  • ATFL部分の開大や関節外への液体移動を確認
陳旧例
  • 陳旧例では検者が患側の脛骨を後方(地面)方向に押し付けることで距骨の前方引き出しを促す
  • 腓骨と距骨の距離の開大を確認する


また、陳旧性の場合にどうしてもうまくATFLを描出できない時には、陳旧性ATFL損傷による距骨の内旋状態によって、距骨の位置がプローブから遠く(深く)なっている可能性を考えるというのも、個人的には新しい知見でした。
本文中では、写真を掲載していて非常にわかりやすく、また踵腓靭帯や内側靭帯についても記載がありますので、ぜひ一読してみてください!



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