今回はおそらくUKA推しの先生方が中心に書かれているのでないか?という関節外科Vol.40 No.9からのお話です。
著者の推しをみて、文献を俯瞰する能力も必要よな
参考文献
関節外科 Vol.40 No.9 2021 27-31
UKAについては、最近アップデートしてなかったので、とても勉強になりました。オススメです。
注意
オシゴト整形外科医はもともとUKAの適応は狭い方です。どちらかというと骨切り推しですが、近年はやや骨切りもやりすぎ感があるなと思って見てます。今回は手術適応に絞ってお話しします。
今回は、孫引き文献については一部記載していませんので、関節外科を参照ください。
手術適応について
アップデートされた部分はこちら
- 体重で適応をきめるべきではない
- ACL損傷膝も条件つきで適応となる
- 関節リウマチも活動性に応じて適応になりうる
まずは、肥満について。
従来高度の肥満については、適応を避けるべきというのが一般的でした。
一方、mobile-bearingなら摩耗がすくないよという報告もあったようですが、近年はfixでも同様の報告があるようです。
ただし、TKA同様に肥満では皮下組織が厚くランドマークが触れにくいため、設置位置不良には注意が必要とのことです。
個人的な意見ですが、痩せている方と比較して、肥満型の方のOAは内側有意ではなく、全体的に損傷を受けている方もいるので、その辺の適応の注意は必要と思います。
つぎに、ACL不全について。
こちらも、もともとはACL不全膝へのUKAはACL健常と比較して10倍近い再置換レートがあると報告されていましたその後、逆に再置換率はそれほどかわらないよねっていう論文が多数になっているようです。
ただし、後傾をやや抑え気味(8度を超えると最置換率があがり、5度までは再置換がなかった)にするのが望ましいようです。
参考文献
Hernigou P et.al, JBJS Am 2004 ;86:506-11
また、若年で活動性が高い場合には、ACL再建と併用という意見もあるようです。
これも、個人的な意見ですが、さすがに「ACL機能不全+内側限局OAかつ、若年」で「ACL再建+UKA」やるなら、HTOからでいいと思います。
HTOで後傾変えるだけでも不安定性がとれて、ACL再建が不要になる症例もありますし・・・。
HTOで後傾変えるだけでも不安定性がとれて、ACL再建が不要になる症例もありますし・・・。
最後に関節リウマチについて。
関節リウマチについても、炎症が将来的に外側コンパートメントに及んで障害をきたすことを考えると、これまではTKA1択でした。
しかし、生物学的製剤は、関節リウマチの予後を劇的に変えていますので、この考えも古いようです。
とはいえ、まだ報告としては少なくどのタイミングや状況なら温存型の手術を選択できるのかは決まっていない印象です。
論文の裏読み
今回取り上げた「関節外科」の特集は、どちらかというとUKA推進派の意見なのかな?という印象を受けました。
というのも、私がHTO推進派だからなのかもしれません。
いずれにしても、論文や雑誌は書かれている情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、つねに記載者の意図や立ち位置なども考慮に入れて読み進めるべきです。
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