【ロモソズマブ】骨粗鬆症治療の救世主?? 結局どうよ?効果やリスク

ロモスマブ(イベニティ®︎)は、承認使用可能になって以降、さまざまな議論がされています。

ちょうど、骨粗鬆症学会雑誌の最新号に取り上げられていましたのでアプデです。

全体の印象として、先にお伝えすると

  • 使用開始1年で新規椎体骨 折の発生の予防効果がみられる
  • 歴史あるアレンドロネートと比較しても優位性がある
  • 心血管イベントに対しては引き続き注意は必要(考え方は諸処あるよう・・。)

すでに使用して12ヶ月経過した人も出てますよね
月1回、皮下注射で、骨形成も期待できるのは、コンプライアンス的にも使いやすい!!


参考文献
The Journal of Japan Osteoporosis Society Vol.7 No.2 2021 125-132 斎藤 充
The Journal of Japan Osteoporosis Society Vol.7 No.2 2021 133-140 宮内章光
Cosman F, et.al. N Engl J Med 375: 1532-1543, 2017
Saag KG ,et al. N Engl J Med 1237:1417-1427, 2017



骨粗鬆症治療の新しい立ち位置

ロモソズマブはこれまでのビスホスホネート製剤、デノスマブ、PTHとちがい「骨形成にも骨吸収にも効果がある」と言われている初めての治療薬です。(諸説あるようですが・・・)

注目すべき点は、その高い効果と速効性で、これまでの治療薬では投与2年以上での骨折防止効果しか見出せなかったものが、ロモソズマブでは、1年で椎体新規骨折予防効果がだせたというデータがあります。

もともと、骨粗鬆症が完成してしまっている人の2次骨折が1年以内に起きやすいことは分かっていたのですが、骨粗鬆症治療薬の多くは2年以上骨折予防効果発言にかかるというジレンマを抱えていました。

ですので、既存骨折を見つけた時点での早期介入で2次骨折予防が期待できます。

また、ARCH試験において、アレンドロネート製剤単独24ヶ月継続に比較してロモソズマブ12ヶ月→その後アレンドロネート12ヶ月で有意に骨折防止効果が優れていたというのも注目です(新規椎体骨折発生率、臨床骨折発生率について)

しかも、このARCH試験は重度の骨粗鬆症患者を対象とした試験であるから驚きです。

重度の骨粗鬆症
BMD T-score≦-2.5(total hipあるいはfemoral neck)で既存骨折あり(1カ所以上の椎体中等度~重度 圧潰,もしくは2カ所以上の椎体軽度圧潰),もしくは, BMD T-score≦-2.0で既存骨折あり(2カ所以上の椎体 中等度~重度圧潰もしくは2 年以内の大腿骨近位部骨折 歴)
また、非椎体骨折、大腿骨近位部骨折の骨折抑制率もロモソズマブ→アレンドロネート群で有意に優れているという結果です。

ロモソズマブのリスク

リスクについては、もっとも有名なのが、心血管イベントの発生です。

現在、「心血管イベントの既往が1年以内にある場合、投与不可」となっています。

これは、先ほど紹介した、「ARCH試験」でロモソズマブ投与群の方がアレンドロネート群に比べて,心血管系イベントの発生が高かったことが影響しています。

ARCH試験の概要
ロモソズマブを投与した患者16例(0.8 %),ALN を投与した患者6 例(0.3 %)で,虚血性心事象の発現率において不均衡が認められた(OR 2.65,95 % CI 1.03~6.77).
引用;The Journal of Japan Osteoporosis Society Vol.7 No.2 2021 133-140 宮内章光
しかし、その他の臨床試験、非臨床試験において、心血管系事象を説明しうる生物学的機序は特定されていないことなども含め、いまだにその関係については議論がなされ、今後の研究が期待されるところです。

それまでは、上記の内容を遵守し、投与を継続するしかなさそうです。

一方、他にもいくつかの注意点があります。
  • 顎骨壊死
  • 低Ca血症
  • 非定型骨折

顎骨壊死については、ビス剤と同等の注意が必要で、歯科受診を事前におこなう、侵襲的な治療を済ませておくなどの配慮が必要なようです。

これは完全に私見で、今後明確になるといいなあと思いますが、ロモソズマブは、他のビスやデノスマブとくらべるとそのリスクは低いのではないか?と疑っています。

低Ca血症は、とりわけeGFRが低下しているCKDステージ3b、4以上の腎障害のある方には注意が必要です。

添付文章上も重度の腎機能障害患者(eGFR が30 mL/分/1.73m2未満)あるいは透析を受けている患者は慎重投与になっています。

もちろん、エルデカルシトール(活性化VitD)を併用して、Ca値に注意しながらの使用は否定されるものではありません。

また、非定型骨折についてはそもそも、ビスとの関連もどうか?といわれる時代になってきていますし、ロモソズマブだから、その発生率が高いわけではないこと、非定型大腿骨骨幹部骨折を起こした人が日本人ではないこと、そもそもロモソズマブ投与前から前駆症状があったことを考えると、それほど「ロモソズマブだから・・・」と、過度に心配するものではないように思います。


新着記事

【復習】非定型大腿骨骨折を、もう一回整理し直したてみた 【ビスホスホネート製剤】中止による非定型大腿骨骨折発生リスクは毎年〇〇%低下する!? 【知らないとやばい】非定型大腿骨骨折の最新知見はコチラ。



コメントをどうぞ

    メールアドレスが公開されることはありません。*印が付いているものは必須です。