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【結局どうなの?】骨粗鬆症性椎体骨折(圧迫骨折)の治療

骨粗鬆症性椎体骨折(圧迫骨折)の治療は、私が習い始めた頃から伝統的な治療が一般的で「エビデンスはない」と言われ続けてきました。

もともとご高齢者の場合、そのbackgroundが多様であり、圧迫骨折の骨折形態もさまざまであることからなかなかエビデンスレベルを上げにくいという側面はあったのだと思います。

これまでは、2011年の日本整形外科学会雑誌にある、多施設共同前向き無作為化比較研究が引用されることが多かったように思いますが、2020年に骨粗鬆症委員会の骨粗鬆症性椎体骨折診療マニュアルワーキンググループによる報告がありましたので紹介します。

引用文献
骨粗鬆症性椎体骨折診療マニュアル
日整会誌( J. Jpn. Orthop. Assoc.) 94:882-906 2020
本マニュアルが引用した文献については、孫引きしてください



結局最近はどうだっけ?ってなること多いですよね
2020年で一回知識をアプデしとこう



全体的は、診断はいろいろ進んできている印象がありますが、治療については、やはり強いエビデンスは得にくい分野なんだなって感じでした。

今回のとりあげました、「骨粗鬆症性椎体骨折診療マニュアル」は、 Q and A方式になっており非常に見やすくまとまっていますので必読です!!

ベッド上安静の必要性

結論から言うと、ベッド上安静をもうけつことの明らかな優位性を示したものはなく、推奨するものでもない、すくなくとも圧迫骨折患者に対して、ベッド上安静が必要であるとは言えないと言るようです。

今回の報告では、ベッド上安静の期間は、「2週間」が一つの目安となっているようで、その根拠は、2週間以上ではベッド上安静による生命に関わる重篤な合併症がなかったこと、比較的成績がよかったことがあげられています。

一方で、3週間のベッド上安静でも早期離床とくらべて椎体変形や偽関節を予防できなかったという報告もあり、すくなくとも全例に行うものではないというスタンスのようです。

装具の種類と期間

こちらも結論からいうと、装具療法の有効性は確率されているとは言えないが、装具療法を否定することもできない。というなんとも、まだまだな状態です。実質こちらの質の高いエビデンス獲得は難しいと思います。

この章の内容は、2011年の多施設共同前向き無作為化比較パイロット試験の影響を強く受けている印象があります。

  • 受傷初期に3習慣のベッド上安静をしても、椎体圧潰や癒合不全を予防できない
  • ギプスによる固定をしても椎体の変形の進行予防はできなかった
  • 硬性コルセットは軟性コルセットにくらべて12週前後では椎体前縁圧潰率は硬性群で優位に小さいが24週以降は有意差なし
  •   
  • 硬性コルセットと軟性コルセットの間で48週におけるVAS、JOABPEQの有意差なし

これらに、最近のRCTの結果をたしてもエビデンス不足なようです・・。

BKPは?

今回は、手術療法についても一部触れられていました。

単独で行うBKPのみにはなりますが、適応や効果含めコンセンサスのない部分ですので、非常に興味深いものでした。

日本における適応としては、

  1. 急性期の椎体骨折で強い疼痛が持続し保存治療に抵抗性でADLが高度に低下している症例
  2. 慢性期(おおむね受傷後3カ月以降)の椎体骨折で正常な骨癒合が得られず椎体の異常可動性による疼痛のために低下したADLの回復が得られない症例
  3. 予後不良が予測される症例(MRI矢状断T2強調画像における高信号(脳脊髄液と同等)か低信号広範(骨折椎体面積の50%)、MRI 矢状断T1強調像の全体型,椎体後壁損傷,椎体内クレフトの存在、受傷後1カ月における荷重位-仰臥位単純X線側面像で5°以上の椎体可動性、胸腰椎移行部骨折,受傷前運動習慣の欠如


があげられています。

一方で、椎体圧潰変形の経時的進行があるため、適応症例には早期(4-8週以内)の介入が有効とされている報告もあります。

つまり、急性期と慢性期にそれぞれ適応のタイミングがあるというわけです。

しかし、その効果としては、椎体の変形矯正はできるものの、局所後弯・アライメント矯正については否定的であり、「即時的除痛」が唯一コンセンサスありのようです。

日本では、一部で6ヶ月時点でのADL低下の抑制効果も報告されており、今後こちらが世界的にコンセンサスを得るか?が注目されています。

以前、懸念されていた続発性の新規椎体骨折については、保存治療と差がなく、逆にBKPをしたから続発性新規椎体骨折が増えるというわけでもなさそうです。



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