脆弱性骨折が生じた時に骨粗鬆症治療をしないといかんよって、話はこのブログでは散々しています。
具体的には、脆弱性骨折の発生は、同部位や他部位の骨折リスクの増大(2次骨折リスク)、ADLの低下、生命予後の低下などかなり具体的でシビアなデータがあります。
そのうち、骨粗鬆症とわかっていて、治療介入していないとヤバいことになりそう
医療経済的にも問題あるからな・・。
記事全体の参考文献
日本骨粗鬆症学会誌 2021 Vol.7,No.4 15-18 岡野 徹
大腿骨近位部骨折の2次骨折リスク
ほとんど骨粗鬆症リエゾンなどがない病院で、転子部や頸部骨折の手術をされた人のなかで骨粗鬆症治療が入院中に介入されているかどうかをしらべると8割近く未介入なんてところも見られます。(オシゴト調べ)
- 大腿骨近位部骨折は1度生じると二回目の発生頻度が同世代の初発と比較して約4倍
- 反対側の骨折時期は3年以内に85.7%
- 反対側の骨折時期は1年以内に37.4%
- 生存率は1年で81%、5年間で49%、10年間で26%(一般人口の生存率よりも低い)
参考文献
Hagino H, et al; Calcif Tissue Int 90 : 14-21,2021
Mitani S , et al; JOrthop Sci 15: 192-197,2010
森田ら ; 整形外科・災害外科 53 :1095-1098,2010
林泰史; MED REHABIL 65:1-9,2006
Mitani S , et al; JOrthop Sci 15: 192-197,2010
森田ら ; 整形外科・災害外科 53 :1095-1098,2010
林泰史; MED REHABIL 65:1-9,2006
椎体骨折の2次骨折リスクとADL、生命予後
椎体骨折も多発骨折ではじめて発見されることがあるなど、一度骨折すると次々骨折してしまう部位ですよね。
- 女性の場合は既存骨折なしと比べて既存骨折ありは二次骨折発生率は2.5から7倍
- 椎体骨折発症の翌年の椎体骨折発症率は11.5〜24%
- 椎体骨折の1個の群はない群と比べて1.6〜2.9倍ADLが悪化する
- 椎体骨折の2個以上の群はない群と比べて4.6〜6.2倍ADLが悪化する
参考文献
Lindsay R, et al. ; JAMA 285: 320-323,2001
Mitani S , et al; JOrthop Sci 15: 192-197,2010
Jinbayashi H, et al; Osteoporos Int 13:723-730,2002
Mitani S , et al; JOrthop Sci 15: 192-197,2010
Jinbayashi H, et al; Osteoporos Int 13:723-730,2002
脆弱性骨折予防は重要
大腿骨近位部骨折では受傷後1年以内の再骨折が非常に多いことも考えると、脆弱性骨折に対して早期に骨粗鬆症対策を講じることは当然であり、さらに、その状況でも1年以内に骨折予防の効果を出せる治療介入が望まれます。
今後、この部分についてもデータが出てくるものと思われます。
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