【もはや必須】ヤリっぱなしはダメ!骨接合したら、骨粗鬆症治療しなさい!!

整形外科医の(手術)やり逃げを防ぐための啓蒙です。
手術の・・・・な。


大腿骨近位部骨折術後患者の約20%にしか二次骨折予防されてないとか、非医療者が知ったら怒るレベルでしょ・・。
参考文献
Hagino H ,et al Calcif Tissue Int 90 : 14-21,2012




参考文献
整形外科・災害外科 64 1309- 1316 2021

Fix and Treat という用語を初めてみました
Fix and Flap ならぬ、Fix and Treat




骨折予防のための早期介入

近年の、”急性期入院事情も加味されており、術後2,3週間で急性期の医師が骨粗鬆症治療を開始しないと回復期を経て、外来に再度やってくるまでに3ヶ月ほど放置される”(一部改変)というのは、その通りです。

また、論文の中で脆弱性骨折の入院時採血セットが公開されています。

項目は以下の通りで、一般的な採血セットに加え

  • Ca
  • IP
  • TRACP-5b
  • Total P1NP
  • 25(OH)D
  • TSH
  • F-T4
  • PTH-intact
です。

いずれも、妥当な採血項目であり、骨代謝の状況をみつつ、甲状腺機能更新症や低下症による二次性骨粗鬆症の鑑別、腎不全からの二次性副甲状腺機能更新症のルールアウトなど、高齢者にみられがちなものも網羅されています。 TRACP-5b、P1NPの利点は、

  • 食事接種の影響を受けない
  • 腎機能低下の影響を受けない
  • 骨折発生時には24時間以内であれば、骨折の影響は少ない
参考
骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用ガイドライン2012年版

治療介入の流れ

今回参考にした論文には薬剤選択のフローチャートも掲載されています。

詳細は原文を参照いただく必要がありますが、大きくわけて、腎機能低下例には入院中は血中Ca値にあわせてvit D製剤のみで、外来でデノスマブを併用、腎機能低下のない人には血中Ca値にあわせてVit D併用+入院中からbis開始という流れです。

また、口腔ケアにも配慮があり、視診で明らかに口腔内汚染がある場合にはbis使用前にvitDのみ使用して口腔ケアを入院直後から介入してもらうという徹底ぶりです。

もちろん歯科の先生から見れば、視診のみでは不足もあるかもしれませんが、それでもないよりは「まし」です。

また、原文中でも術直後にbisを使用しても骨形成に影響ないとしており、安心して二次骨折予防を・・と記載されています。



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