「肩が痛い」、「肩が上がらない」の主訴の中に、一部頸椎由来の疾患が混じっていることがあります。
実際、一般の方の「肩」は僧帽筋や肩甲挙筋部分の痛みも含んでいることがあり詳細な聴取が必要ですが、肩が上がらないという主訴の場合には頚椎症性神経根症と肩板断裂による屈曲制限の鑑別が必要になります。
これからの時期は、ワクチン接種にyによる筋肉痛も鑑別に上がるな
もちろん、脳梗塞などの中枢性疾患も鑑別にあがります
参考文献
廣岡孝彦 ら 中部整災誌2015; 58: 917-918
Iwata E, et al. Asian Spine J 2018 ; 12:69-73
Hattrup SJ , et.al J sholder Elbow Surg 2010 ; 19: 937-943
Iwata E, et al. Asian Spine J 2018 ; 12:69-73
Hattrup SJ , et.al J sholder Elbow Surg 2010 ; 19: 937-943
頚椎由来の麻痺と偽性麻痺の鑑別
先にポイントから。
- swallow tail signの有無
- 上腕二頭筋筋力低下と萎縮の有無
- 合併の場合?
正直、ある程度専門に特化してしまうと他の分野のことが愚かになりがちですので、定期的に日本語文献でアップデートしてます。
swallow tail sign自体は、かなり以前から言われている所見のようで、1995年には提唱されています。(参考文献:JBJS (Br) Vol77.1 1995 152-153でNishijima N ,et al.)
肩板断裂があっても、腋窩神経麻痺がなければ肩関節の自動伸展に左右差が出ない。つまり、左右差があればswallow tail sign陽性で、神経麻痺を疑います。このような場合には、広範囲肩板断裂にReverse sholderなどで対応しても三角筋が効かないため、可動域を改善させるのは難しいと判断できます。
また、上腕二頭筋の筋力低下と萎縮があれば、頚椎由来の神経障害を考えるとも言われています。こちらは感度特異度共に高いようです。
また、補助診断としては肩板断裂の場合には自動挙上ができないが、屈曲位にしてしまえば保持はできることが多いというのもあります。
頚椎由来の麻痺と偽性麻痺の合併の場合の治療は?
合併の場合には、どちらを優先すべきなのでしょうか?
(よく腰椎と股関節疾患の合併でモメているのをみますので、、、)
結論からすると頚椎の治療を優先すべきという意見が優位のようです。
確かに、ある程度筋力が戻れば三角筋で挙上が可能になるかの可能性もありますしね(これは個人的な意見ですが・・。)
腰と股関節のようなオオモメにはならなそうで何よりです。
新着記事
【ポータブル電源】家族持ちなら即購入?ただし購入体験は最悪。 【買い!】echo show15の半年使用後レビュー 【保存版】顎骨壊死を懸念してビスホスホネート製剤の予防的休薬は不要!?コメントをどうぞ