【事業所得】税制的には圧倒的に有意。普通の勤務医は不動産を選択するべきではない理由



お仕事整形外科医です。


事業所得は、個人と比較して圧倒的に税制面で有利です。

税制面の利点
  1. 税引き前で買い物が可能
  2. 法人の所得税率は累進課税ではない
  3. 個人事業主の場合、初期に事業所得が赤字でも所得と合算可能

①のメリットは圧倒的です。

勤務医の平均年収くらいになると所得税率は高いところで30%前後まで跳ね上がり、住民税を加えると40%くらいになります。

これは、私の中では、「同じ仕事をしていても6割の給料しかもらえない感覚、普段の生活での買い物が4割高値で購入する感覚」という風に捉えて生活しています。(厳密には違いますよ・・・www)

税引き前のお金で買い物ができるというのはそれだけでおおきな強みです。


②も先ほどの話から想像がつくと思いますが、圧倒的です。

法人の場合の所得税率は20%前後ですから、私たち個人への所得税率に比べると安いものです。

*個人事業主の場合には、所得は個人と合算されて課税所得計算されますので、異なります。

③も大きいです。

特に、事業は、特に初年度は売り上げが初期投資に負けることは多々あり、赤字を計上し得ます。

個人の財布が赤字だと大問題ですが、事業が赤字でも、個人の所得と相殺可能ですし、なにより生きていくことはできます。(事業の赤字が個人の所得を大きく圧迫していないことが前提ですよ!!!)

さて、これらの理由から、医師によく不動産投資を持ちかける自称、税制対策不動産屋がいます。

彼らの主張は、
  • 不動産所得は、不労所得!
  • 節税できてお得!!
  • 不動産は、将来あなたの資産になる!!!

といったところでしょうか?


結論から言うと、これらすべてほぼ嘘です。



ぜ!ぜんぶ!!嘘!!!???
ま、正しい言葉で言うと、「嘘になることが多い」かな?






不動産所得は不労所得ではない!?

まず、はっきり言うと、不動産所得を不労所得と定義づけるには、数と時間が必要になると言えます。

例えば、よくあるワンルームマンション投資を考えます。

賃貸には、物件管理やクレーム対応、入居・退去手続き、客付けなどの仕事が発生します。

もちろんこれらをすべて外注状態にしてしまえば、不労化することは可能です。

しかし、そうするとかなりの中間マージンのしょっぴきが発生します。

例えば、4000万円の物件をフルローンで購入し、すべて外注したところ、表面年利回り3%が実質2%になるとすると年80万円の収入となります。

この中から、将来の修繕のための積立てもしないといけないので、さらに収入は下がります。

4000万円の借入リスクに対して得られる収入が圧倒的にすくなく、ビビリの私のなかでは、メリットが上回ることはありません。

メリットを増やし、デメリットや空室などのリスクを減らすには物件を増やしていく他ありません。

おのずとレバレッジは膨張していきますので、ビビリの私には到底できません。


外注部分を減らしていけば、儲けは増えますが、不労所得であるという前提からは大きく外れていきます。

また、外注すればなんでも不労所得化できうるというのは、わりとどんな仕事でもあてはまることです。

(もちろん、不労”所得”になるか、不労”損失”になるかは別ですが・・・。)

節税できてお得!?

マンション投資で一般的によくマンション屋がいう節税は2つです。

事業所得からの経費使用による節税と赤字計上時の所得合算による課税所得の減少です。(あとは、減価償却)

経費使用については、文頭で述べたとおりです。たしかに一理あります。

赤字計上時の所得合算については、事業開始時の一時的なもので、あとから取り返しが簡単に可能なものであればメリットと捉えられますが、継続的にキャッシュアウトが積み重なっていくものであれば、デメリットです。

少々わかりにくいので、詳しく説明すると、事業は確かに初期には赤字を形状することがあります。

しかし、事業の価値が向上し安定的に売り上げが出るようになると自ずと黒字化するとふんで、事業を継続しています。

不動産の場合、取得して一番状態がよく、価値があるのは購入時です。その後時間と共に価値はかならず目減りしていきます。

目減り分を減価償却として税制面での黒字にすることも可能ですが、それでも吸収しきれないくらいの赤字を、継続的に出すような物件は、もはや金食い虫としか言えません。

マンション屋は、「いまは、赤字でも将来のあなたの資産として物件が残ります!」と言いますが、一番価値がある現在、金食い虫でしかないクソ物件が、将来価値が目減りすることが多いのに、どうして「資産」と言えるでしょうか?

将来価値があがるような物件を探し当てるのはその道のプロ(アパの会長とか、一部の地元の不動産屋とか、一部のスーパー大家)か、相当運の良い人がすることです。

医師のなかには、勉強を重ね、運にも恵まれているスーパードクターもおられますが、ごく一部であることは間違いありません。

普通の医師にとっては、現在赤字計上するような物件を保有していることは、節税にはなりません。

普通の勤務医が不動産投資をする理由は?

長期目線・爆益はいらない・贅沢しない・リスク許容度低いという、私と同じ普通の勤務医の方は、不動産投資をする理由はありません。(爆益狙いのスーパードクターは別です。かれらは怪物。)

そもそも、一般のサラリーマンが不動産投資をする一番のメリットは、銀行借入による自己資産の最大化です。

最大化した後に、将来本当の不労所得である株式投資に資金回すための過程として行っている人も結構おられます。

(銀行は株式投資のための金は普通貸してくれません)

すでに、給与が平均と比べて遥かに高く、それほど支出がおおくない、株式投資にベットできるお金がある勤務医にとっては、不動産投資をする意味合いは低いように思います。

どうしても事業所得が欲しいなら

事業所得を得る方法は、なにも不動産のみではありません。

とはいえ、医業を副業扱いにするという、なんともグレーな方法は税制的にお勧めしません。

自分でビジネスのアイデアを考え、事業化しそれを育てることに尽きると思います。

不動産のように初期投資を大きくかけずにビジネスを始めやすい世の中になっていますので是非挑戦してください。

私のような普通の勤務医でも、本の出版含めいくつかの小さな事業を複数こなして、ちょっと事業所得を得ることができています。

医師の場合、初めのころは給与所得と比べると大きく見劣りすることがおおいですが、事業所得を育てる喜びは大きいものです。


下記は関連するオススメの本です。






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