お仕事整形外科医です。
整形外科の小ネタです
最近整形外科医的な記事があまりにもなかったので自分が何者かわからなくなってきましたwwww。
原点にかえって、小ネタです。
- ばね指の診断ではエコーは横断像が簡単
- 曲げた状態で評価する
- 健常像と異常像の違い
ばね指の診断にエコーは使える!?
あきらかにスナッピングを再現できるような症例では、エコーの必要性は薄いかもしれませんが、診察室では再現できないような軽症のばね指症例や、PIP関節がすでに拘縮してそもそも曲げ伸ばしができないような症例(めったにないですが)では、エコーは強みがあります。
診療点数も部位は「その他」扱いで、350点となかなかの点数です。
エコーの最大の強みは「動的に評価が可能なこと」に尽きると思います。
これまで整形外科的な検査として代表的である、レントゲンやCT、MRIはすべて静的判断でした。
そもそも運動器は動いていることの方が多いわけですから、ダイナミック(動的)でないと診断がつかないこともあります。
また、筋肉を含めた軟部評価は、いい検査方法がなかったこともあり、整形外科医の苦手分野とも言えます。
ばね指の診断方法
左右があるものは健側と比較することが大事です。
ばね指のエコーの際の特徴として、
- 指によって健常でも腱鞘の太さは異なる
- 腱鞘はlowエコーで実は評価しにくい
- ビームの入り方により、腱の描出のされ方が異なる
が挙げられます。
腱鞘の太さは健常でも指によって違います。 中指が一番分厚く、環指小指は薄いのです。
また、腱鞘自体はlowエコー帯で評価もしにくいため、検証の肥厚を病態とする割りになかなか評価しづらいという難点があります。
そのため、実際の診断にエコーを使用する際には、腱鞘肥厚によって腱鞘内の圧が増加したことによる腱の形状変化を捉えた方がわかりやすいと言えます。
では、実際の診断方法ですが、一つは腱の長軸像にて陥凹している部位を探す方法ですが、なかなか長軸を1viewのなかに収めることは難しいこともあり、テクニックを要します。
一番手っ取り早いのは横断像にて指を屈曲させ、腱の形状が正円形に近くなることを確認する方法です。
参考文献にもありましたが、指を屈曲すると腱鞘内の圧力が上がり、通常楕円の腱が正円に変化します。
実際の絞扼部位を診断するには適切ではないかもしれませんが、腱鞘肥厚による絞扼があるかないかを判断することは可能です。
実際どうよ
実臨床でやってみると、腱鞘の肥厚の左右左や、腱の肥厚を左右で比べるよりも屈曲時の腱の正円化の方が断然わかりやすい所見です。
腱鞘の厚さは指によって違うため、一概に肥厚かどうかわかりにくんです。
また、カラードップラーは引っ掛かりがあっても血流増加は見られないことが多いです。
腱鞘内注射は?
参考にした文献では、掌側からエコー、背側から注射をしていました。
神経血管束に注意が必要なようですが、確かに注射液が入っていくのをダイナミックに見れるメリットはあるかもしれません。
実際に、腱鞘内に入らなくても効果は同じという意見もあるようなので、ここまでリスクをとる必要があるかどうかは意見の分かれるところかもしれません。
エコーガイド下 バネ指注射
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