お仕事整形外科医です。
フリーランス外科医、「大門未知子」は記憶に新しいドクターXです。
フリーランスドクターとは、自分の腕っぷし1本で周囲を黙らせるようなイメージがありますが、現状そのような働き方ができている医師は、ほんの一握りのようです。
人によっては、今現在フリーランスと叫ばれている先生の働き方は「フリーター」とおっしゃられる方もおられます。
少し前まで、
- 時間の調整がつきやすい
- 働き方を自分で選べる
- 税制面でもメリットが大きい
などの理由から、フリーランス(フリーター?)医師がもてはやされました。
しかし社会情勢が一変し、ひとたび景気が悪くなり始めると、フリーター医師のなかには「こんなはずでは!?」と感じている人もおられるようです。
そもそも、医師の働き方・キャリア相談などを銘打った「SNS」や「ブログ」の中には、転職斡旋業者への紹介が非常に多く、そこで紹介料という名の小遣い稼ぎをしている医師が多く存在します。
彼らは、転職を成功させると成功報酬として紹介料をゲットできるため、転職の素晴らしさを切々と語ります。
しかし中には、その「リスク」についてはあまり話さない人もいるようです。
ちなみに、個人的な感情としては、このような斡旋業者への紹介での小遣い稼ぎはやりません。
一緒に働いたこともない先生が、フリーランス(フリーター?)医師に合っているかどうかなんてわかりませんし、その先生の背景には妻・子供・親などの家族があります。
転職とは、その人たちを巻き込んで行う行為であるため、知らない先生に転職を勧めるような行為いたしません。
もちろん、最後は本人が決めていることなので、本人の責任である事は間違いありません。
しかし、微塵でも「小遣いを稼ぎのため」が頭をよぎる場合の、転職斡旋は私の中では、「心から勧められるものではないモノ」に該当します。
下記にも記載しています。
運営する目的
- 「転職サイト斡旋で報酬あり」により、メリットばかりが取り上げられる
- フリーター医師の場合は病院の中では最下層にいることを自覚することが大事
- 合っている人と、合っていない人は当然いる
- 社会保障的なデメリットもある
- 不景気になると不利
フリーター医師のデメリット
フリーター医師は、自由な時間が取りやすく、責任も発生しにくいなどの「メリット」があるようです。(詳しくは他のサイトをみてください)
しかし、いくつかのデメリットも存在します。
- 医者界隈での信用が低い
- 王道のキャリアからは外れる
- 正社員よりも解雇しやすい
- 増えてくると、いい案件の奪い合い
- 住む場所が限定される可能性も
*これらは、一般的な話なので、フリーター医師の「全員」に当てはまるわけではありません。
まず、業務上の責任が発生しにくい仕事をしている人は、医者界隈での信用を上げるのには苦労します。
もちろん働き方にもよりますが、「自由」と「責任」と「信用」は、ある程度の相関関係を示します。
医者界隈では、責任のない仕事をしている人間はあまり認めてもらえません。
また、王道のキャリアからは外れることが多く、それがメリットとになる人もいれば、デメリットとなる人もいます。
そもそも、一人の医師が、「どのキャリアが適切か?」を考えるには相当慎重に、その人のことをよく知る必要があります。
大学の医局に所属していある間は、その看板に守られていても、フリーになった瞬間に、個人をみられることになります。
勘違いふんぞり返り系Drは、王道のままでいたほうが幸せかもしれません。
また、これも一般論ですが、病院経営が立ち行かなくなると、まず解雇される対象となるのはバイト医です。
社会が好景気でイケイケの時には、そのリスクは少ないですが、昨今のような壊滅的な不景気で、病院の正社員のボーナスすら支給が危ぶまれるなかでは、相当のリスクをおうことになります。
そこであぶれた医師たちは、「高額・高待遇案件に飛びかかり、バイト斡旋業者の思うツボ」という仕掛けになっています。
高額・有料案件も都市部に集中しており、自分の住む場所を限定されている感じも、私には「向いていない」と考えています。
社会保障的デメリット
社会保障の点においてもいくつかのデメリットは知っておくべきです。
- 傷病補償はない
- 健康保険料の雇用側との折半はない
- 年金は国民健康保険のみ
など、いくつかありますが、一番は傷病補償かな?と思います。
傷病補償は、給与の2/3程度を最大1年6ヶ月もらえる仕組みです。(詳細は自分で調べてみてください)
医師の場合、かなりの額になりますので、これを民間の任意保険で賄うのは到底無理です。
(掛け金が高すぎます。かなり高額です)
固定費をガンガン使っている人は特に注意が必要で、傷病で収入がなくなると、すぐに資金がまわらなくなります。
傷病手当が1年6ヶ月ある人は、ない人に比べて、その間にある程度の準備をすることも可能です。
ちなみに、私は正社員ですが、1年6ヶ月すぎたところからの、収入補償のみをいくらかかけています。
現段階では、正社員であり傷病補償がかなり手厚く、1年6ヶ月以内は、任意保険での補償は不要と考えているためです。
この料金設定の方が、かなり保険料が安くなります。
悲惨な都市部フリーター医師の現状
新型コロナウイルス感染の影響もあり、病院の経営は傾いています。
クリニックも例外ではなく、通院期間の長期化・電話再診では外来管理料加算がとれない・人の移動の現象による感染症全体の低下・外傷、スポーツ障害の減少などが直撃し、非常勤の医師の中にはクビになる人間も出てきています。
これまで定期非常勤のように働いていた医師と、仕事を取り合うことになるため、都心部でのバイト求人は秒速で消失する事態になっています。
そのため、フリーター医師の中には、都心部から長距離移動して出稼ぎをされている方もおられ、悲惨な状況です。
しかし、いつまでも田舎に仕事があるわけではありません。
田舎はそもそも仕事のパイが少なく、すぐに取り合いになりますし、医局の力も根強いため一般求人が生じにくいという側面もあります。
やはりフリーター医師は、医師としては底辺の存在であるという認識、いい意味での危機感をもって働く必要があるといえそうです。
まとめ
私は、フリーター医を「よくない」とはかけらも思いません。
むしろ羨ましいと思っていますwww
しかし、たいして知らない人にそれを斡旋する事はしません。
また、現在の私の不労所得では、フリーター医師になることは、リスクやデメリットが勝ると判断しています。
転職やキャリアチェンジの際には、デメリットもよく考察する必要があると思います。
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