【さらに、つづき】橈骨遠位端骨折の術中整復(掌側Burton)

お仕事整形外科医です。


最近、骨折ネタばかりで疲れましたが3月4月はタイトルの特徴もあって、骨折術前計画の本がよくご購入いただいております。

骨折手術の術前計画だけの本: 若手整形外科医向け!骨折治療が楽しくなる

あじゃーす!!

(お前はイメージ悪いから出てくんな)

今回は、橈骨遠位端骨折の掌側Burtonについてです。


AO23-Bに該当しますが、部分関節内骨折でありながら橈骨手根関節がそのまま前方に偏位したりしますのでかなり派手に見えることもあります。


その他の橈骨遠位端骨折の術前計画・整復方法はこちらです。
【連投】橈骨遠位端骨折に最低限必要な術前計画と術中整復手技
【つづき】橈骨遠位端骨折の術中整復(橈側の骨欠損、粉砕例)





整復方法

私の場合は、掌側から遠位骨片を指で押しあげて整復しています。


展開して骨折部を直接触りながら整復して、整復できなかった経験はいまのところありません。


もちろん、骨折部の血腫や整復阻害因子の摘出は大切です。


自分の母指で骨折部から掌側のwatershed lineあたりまでを触って、持ち上げます。


骨折部の近位端があっていれば、短縮は改善されたと考えます。


しかし、ここで一点注意なのが、遠位が掌側に転位したままの可能性が残ります。



上の図の青矢印のgapだな!


骨折線が触りやすい骨片の近位部に気を取られてると、遠位側が浮いてることがよくあるんです。


なので、私の場合、整復している指は骨片を押し付けたまま、遠位側に1.2〜1.5mmくらいのKwire(下記の図青線)で掌側から骨片を押し付けて、そのまま仮固定しています。


関節面ギリギリに上記のKwireをうっておくと、指を離したときにやや近位が浮く時があります。


近位にもKwireで仮固定してもいいですが、後にプレートとKwireが干渉することがあるので注意が必要です。


ここまで話ししてなんですが、実はこの時点で整復がバッチリ決まっている必要もありません。


プレートを骨軸に合わせて設置します。この時、楕円ホールのコーチカルスクリューから入れる手順にします。
*機種によっては、プレートとKwireの仮固定用のホールが楕円形になっているものもありますので掌側Burtonのときはその方がやりやすいです。


のちに、骨片の短縮を完全にとるために、プレートの場所を遠位にスライドさせますので、余裕を持たせるために楕円ホールの遠位よりにドリルします。


コーチカルスクリューを楕円ホールに入れておきますが、本締めせずにプレートが動かせる程度に遊びを持たせます。


プレートごと骨片を押し上げて整復すると、ほぼ決まります。



人によっては、このプレートの操作だけで初めから整復する人もいます。


押し上げたまま、先ほど本締めしなかったコーチカルスクリューを本締めすればある程度とまります。


さらに、プレートの最遠位の仮固定ホール越しにKwireを挿入すればほぼ決まりです。


あとは、必要なだけネジを挿入してください。

まとめ

よくみる橈骨遠位端骨折整復固定シリーズもここまでです。


最近骨折ネタばかりで、他の記事の需要もありますのでしばらく、骨折ネタはおやすみしますwww。




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