お仕事整形外科医です。
タイトルどうしようか悩んだのですが、とりあえずこんな感じにしました。
前回、ごく一般的な橈骨遠位端骨折の観血的整復についてのみ書いたのですが、今回は骨折部からintrafocal pinning(場所によってはKapandi法と呼んでますね)ができない場合を説明していきます。
【連投】橈骨遠位端骨折に最低限必要な術前計画と術中整復手技
いつもの汚い絵で書くと下図です。
青丸の部分が粉砕していると、テコが効かなくなるため前回お伝えした整復はできなくなります。
整復方法
完全に私見で、「私の場合」であることをお伝えします。
まず、ある程度徒手整復します。
骨折部を展開し、骨折部を実際に触りながらですと、麻酔の影響も手伝って徒手整復もある程度のところまで行けることがほとんどです。
次に、茎状突起から仮固定が可能であれば1.5から1.8mmくらいのKwireで仮固定します。
ある程度の形になったところでcondylar stabilizing法に移ります。
condylar stabilizing法の概要は前回の記事を参照してください。
【連投】橈骨遠位端骨折に最低限必要な術前計画と術中整復手技
通常の骨折部の橈側皮質(この記事の文頭でお伝えした図の青丸部分)の粉砕がない症例では、condylar stabilizing法の前にintrafocal pinningを行っているため、RIはかなり整復されるのですが、青丸部分の粉砕がある症例ではそれができないため、多くの場合この時点ではまだRIが整復不良です。
通常の骨折部の橈側皮質(この記事の文頭でお伝えした図の青丸部分)の粉砕がない症例
- intrafocal pinning
- 必要なら茎状突起からKwire仮固定
- condylar stabilizing法
今回お伝えの、骨折部の橈側皮質(この記事の文頭でお伝えした図の青丸部分)の粉砕症例
- 徒手整復
- 可能なら茎状突起からKwire仮固定
- condylar stabilizing法
骨折部の橈側皮質(この記事の文頭でお伝えした図の青丸部分)の粉砕症例では、intrafocal pinningができないためRIが2までの段階であまり整復されていないというわけです。
では、どこでさらにRIを整復するか?
それは、3のcondylar stabilizing法の時です。
まず、遠位骨片にプレートを合わせるときに、プレートの近位骨片に対しての軸を骨軸よりもやや尺側にふります。
そして、先日記載したcondylar stabilizing法の注意点である、「遠位骨片からプレートが浮かないようにする」という注意点を守りながらロッキングスクリュー固定します。(再遠位列のみでもOK)
プレートの近位部分を近位骨片の骨軸方向に合わせるように戻すと、RIがさらに整復されます。
骨軸からプレートを振る量ですが、やり過ぎは注意です。
まとめ
掌側Burtonについてはまた他の記事で書きます。
またもや、疲れましたのでここまで。。
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