骨粗鬆症の治療で、
『訪問診療が必要な在宅の患者さんには、PTH製剤はみとめない』
という保険審査期間がある話を聞きました。
その理由は、『転倒骨折のリスクが低いから』
とのことです。
おそらく、訪問診療になる人は、寝たきりの人だから転倒リスクがすくない ってことかと予想されます。
介護施設の人はほとんど訪問診療
訪問診療は介護施設にいくこともあります。
近年の介護施設は、本人の能力を最大限に生かしたい
また、リハを積極的におこない、能力を維持・向上させようという国の方針があります。
その反面、今後施設内での骨折発症がリスクとして上がる可能性があります。
この点において、訪問診療だから、寝たきりリスクが低いというのは安直です。
高齢者の年間転倒率も、全体では10〜20%ですが、施設入所者は37%に上昇します。
重度介護者も転倒する
いわゆる、要介護4以上のような重度要介護者にも転倒はあります。
立ち座り、介助歩行中にも転倒することは十分に考えられますし、
実際、軽度要介護者よりもトイレなどでの転倒が増えます。
転ばなくても骨折する
また、転倒しないから骨粗鬆症性骨折がないというのは、
あまりにも端的な考えかと思いまます。いわゆるオムツ骨折もあります。
その予後は非常に悲惨なものです。
まとめ
このことを踏まえても、PTH製剤は、やはり適応外なのでしょうか?
医療経済を言うのならば、その根拠が必要です。
たしかに、骨粗鬆症治療はその効果が発現されるまで数年を要することがあります。
ですが、骨折に至った場合の医療経済的な損失も無視できません。
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