高齢者への運動は、薬剤と比較して副作用が少なく非常に有用です。
特に薬剤投与で懸念される肝臓や腎臓への影響は、高齢者の場合少なからず存在し、基礎疾患としてもともと肝障害や腎障害をお持ちの方もおられます。
こう行った点は、運動では無関係とも言えます。
一方で、
- 効果出現まで時間がかかる
- 運動自体が苦痛(疲れなど)をともなう
- 理解し実施するまでのハードルが大きく、継続にも難がある
日常診療でも運動指導が、管理指導料をもらえるわけでもなく、点数にならないものに対して医師がそこまで情熱的におこなわないという側面もあります。(管理料とれても、適当にしか指導してない人もいますが・・・)
また、高齢者が本当に運動して筋肉つくんかいな?という懐疑的な意見も聞かれます。
高齢者への運動負荷
70歳以上のサルコペニア肥満高齢者を対象とした試験において運動(筋トレ)+栄養・運動のみ・栄養のみ・健康指導の4項目に分けて比較したものがあります。
結果としては、
- 栄養では筋量の増大が可能
- 運動(筋トレ)で筋力増大するが筋量増大は起きない(むしろ筋量さがることも。。)
- 運動+栄養で筋量・筋力共に増大
- 健康指導のみは有用性なし
サルコペニアの方を対象としているため、高齢者でも運動と栄養を組み合わせれば良い結果が得られるというのはわかっています。
また、健康指導の有用性が低いというのもの面白い結果です。
参考文献
日本サルコペニア、フレイル学会誌2017 6 Vol1 No1
まとめ
高齢者への運動負荷も、継続して行えば結果がついてくることがわかっています。
このことを理解した上で、いかに理解と実施継続につなげられるかが、健康寿命延伸のキーとなりそうです。
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