国際変形性膝関節症学会の国際治療ガイドラインが5年ぶりに改定されました。
膝関節症については、かなり大幅な改定がされております。
前回までのガイドラインでは、日本人がこれまで行ってきた関節内ヒアルロン酸注射(以下、HA注射)と、日本人が大好きな湿布が全否定されているかのようなものでした。
費用対効果を加味してのお話もあってだったと記憶していますが、今回はこの2者が大逆襲を果たしています。
HA注射
HA注射は、以前から抗炎症作用もあるという見方があり、疼痛緩和に効果的という意見のもと、日本でも行われてきました。
しかし、これまで日本のガイドラインと国際的なガイドラインには大きな乖離があり、国際的には”終わった治療法”、”費用対効果に乏しい治療法”という位置付けでした。
今回、HA注射が躍進したのには、理由があります。
これまで、原因療法の可能性を含めてその効果を評価していたためにHAには効果が低いというレッテルを貼られていたようですが、今回から鎮痛作用としての効果の評価に割り切ったことによりその評価が上がった模様です。
日本では、一部でOAの進行を予防する効果も見られているような話を聞くこともありますが、実臨床で予防的にHA注射を継続することは私はしていません。(この評価は非常に難しく、痛みが取れて運動するようになったから信仰が予防できたのでは?などの、疑いがかかってしまうと思われます)
むしろ、これまで原因治療にまで、いわば軟骨を増やして再生させるような効果まで期待されていたHAさんは気の毒だったように感じます。
湿布
湿布についても、躍進が見られます。
新しいガイドラインでは、OA治療を対象患者の状態に応じて分けたことにより、消化器合併症やフレイル・高齢者などでの外用の安全性と効果が評価されています。
安全性を加味する上で、内服による全身治療よりも外用による局所治療にメリットがあったと考えられます。
また、外用の進歩もあり、エスフルルビプロフェン湿布薬(ロコアテープ®︎)にも期待が集まります。
まとめ
日本では、湿布の処方を保険適応外にするかどうかの議論がなされています。
しかし、国際的なガイドラインに高評価をもらった湿布が保険適応外になるということは、しばらくはない(むしろあったら、保険は何を基準に決めているのか疑わしい)と考えています。
金は、投資対象ではありません。
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