日本では、内部留保とタンス貯金が正解でした

お仕事整形外科医です。


アベノミクスの効果もあり、株式市場・企業業績が上向いているときは、企業の内部留保・おうちのタンス預金は金の周りを停滞させる悪の根元のように叩かれていました。


しかし、緊急事態宣言が発動され、急激に景気が後退している日本では、経済対策・政府の資金援助規模が小さく遅いとされ、むしろ「溜め込み」が正義であったかのように扱われています。

常識って本当につまんねーよな。

時代によって変化するものであることは常に意識しておかないと爺医一直線!!





大企業の内部留保

景気が拡大する中で、大企業は内部留保を溜め込み従業員への給与としての還元や、設備投資費としてお金を流動させないことに対して非難が殺到していました。


しかし、現状、内部留保を溜めていた企業が従業員の雇用を維持できるような状況にもみられます。


批判を受けて、手元資金を残していなかった中小企業のなかには1〜2ヶ月の経済活動停止に耐えられずに破綻を選択せざるを得ないところもあるようです。


特に、オリンピックインバウンドを期待していたホテル企業は、短期の資金繰りが悪化し億単位の負債を抱えて破綻しています。

そもそも企業が破綻するときは、どんなとき?

企業が破綻する原因の多くは、短期の資金繰りが悪くなった時と言われています。


ちょー簡単に説明します。(細かくいうと違う部分もありますので、簡単に説明するための便宜上のものとご理解ください)


短期のお金の動きは「流動資産」・「流動負債」と言います。


逆に長期のお金の流れは「固定資産」・「固定負債」と言います。


ここでいう、長期・短期はお金の流れの時期の問題であり、おおよそ、1年以内を「短期」と表現することがあります。


流動資産は入ってくるお金、流動負債は出ていくお金です。


流動負債が流動資産を上回る状態が続くと、固定資産を切り崩し、流動負債の返済に当てる必要があります。


家計で言うと、毎月の給料が流動資産、クレジットカード払い(家賃などもすべてクレカ払いと仮定してください)を流動負債とすると、クレジットカード払いが給料を上回ると、自宅(固定資産)を売却してクレジットカード払い返済に当てているという状態だと思ってください。


このとき、銀行預金を切り崩しながら、クレジットカード支払いをする人もいるのでは?と思われると思いますが、それは企業でいるところの、内部留保になります。


つまり、内部留保がなかった場合、昨今のような経済活動停止状態、売上減になると支出を抑えるか、固定資産を売却せざるを得ない状況になります。


政府や世論の言う通りに、内部留保を減らし、かつ設備投資などに当てまくっていると、設備投資の返済によって途端に資金繰りが悪くなります。


支出を減らすには、賃金カットや解雇などを行なっていくことになりかねません。


つまり、当時非難の的だった内部留保によって、現在、社員の生活は守られることになっているとも言えます。


企業の中には、目先1ヶ月の返済のために、その月の売り上げがしっかり得られないと途端に破綻してしまう脆弱なものがあります。


切り崩す固定資産が銀行の担保に設定されている場合にはこれに当たり得ます。


社会が変わると、常識は一変します。


つまらない常識に囚われるよりも、自分の信じた道を進む方が後悔はないのかもしれませんね。

まとめ

しかし、個人の収支に関しては、過度のタンス預金は厳禁です。


お金は置いといても、その「価値」は目減りします。


「預金を持ちながらも、支出を抑え余裕資産は投資に回す。」を今後も心がけたいものです。






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