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「一つの道を極める」のリスクとは?

医師という仕事は、その参入壁の高さもありそれだけでも「一つの道」とも考えられます。

そのなかで、近年は高い専門性をもつ職人系医師全体を幅広く見れるジェネラリスト医師に2極化しているように感じています。

日本は終身雇用が当たり前の時代を経て、”最後まで一つのことをやり遂げる美学”、”一つのことを極める美学”に陶酔してきました。

しかし、時代が変わり、若い人の転職もあり、途中でキャリアを変える事もありの時代になっています。

これは、自分の人生のステージにおいてライフスタイルをかえていくという考え方にも即したもので、今後ますますスタンダードになる可能性があります。

医療者は、高い専門性が求められますが、いきすぎた専門性・細分化は自分のキャリアにおいてリスクになりうるという意見も耳に入れた上で、前に進むか、周囲を見渡すかを決めるべきです。


高い専門性のもつメリット

高い専門性は、ある世界において独占的で絶対的な発言権をもつという優位性が得られます。

また、その内容によっては病院など、組織のなかで重宝される事もあり、依存してもらえるという側面があります。

さらに、その名が広がれば、ある分野において集客が見込め、技術的にも数的にも加速度的に専門性が高まっていくというメリットもあります。

また、人は、自分の得意とするところを勉強することはそれほど苦ではなく、学びも加速しやすくなります。

患者さんからすると、高い医療水準の治療を受けられること、それに伴う安心感が享受されます。

高い専門性のもつデメリット

一方、高い専門性は、デメリットもあります。

一概には言い切れませんが、専門を持つと専門以外のものに対して興味を失い、患者さんをたらい回しにする傾向があります。

また、周囲から見れば整形外科というくくりの中にいるにも関わらず、関節以外は診察しない・脊椎はしらないといった、勝手な狭義の科を作り出し、縄張りを主張する現象が見受けられます。

患者さんの疾患の診断についても、自分の専門分野の疾患か、そうでないかの2択になりやすく、それ以外の疾患鑑別に興味がない。もしくは、なかば誘導的に自分の得意分野に引き込んでしまいオーバーインディケーションを誘発している面もあります。

ここからは、キャリアを含めた私見になります。

私も、高い専門性には憧れました。もちろん、膝関節・外傷・骨粗鬆症については、今でも比較的専門性は高いと自負しています。

しかし、狭すぎる専門性は、自分の将来を考える上で、自身の時間のほとんどをその専門性の維持に捧げることになります。これは、投資でいう集中投資に他なりません。

そのほかの分野については全く知識がないのであれば、それは狭い組織の中で生きて行かざるを得ない道を選択しているとも考えられます。

例えば、ある特定の手術が上手な人間であったとしても、手術ができる環境がないと手術はできません。全ての病院が手術を積極的に行なっているとは限りません。

もし、どうしても手術のみにすがって生きていくのであれば、医局の人事に怯えながらすごすか、もしくは医局を飛び出して手術ができるところを探すという選択肢になってくると考えられますが、とくに私が住んでいるような田舎では、手術ができるが、医局に属していない病院はかなり限られます。

そのためだけに、自宅とはるかに離れた病院に勤務している医師も聞いたことがあります。

また、今後病院再編に伴い、手術ができる病院は集約していくと考えられます。

その点を踏まえると、ある特定の専門性のみを背負って生きていくのは、同時に”自分の人生の選択の自由を制限しうるリスクを負う”ということになります。

また、患者さんもネットなどで自分で病院を選ぶようになりますから、多少遠方でもいい先生のところに集約していくことが予想されます。

そのうえで、自分がいる地域で一番になれるくらいの実力がもしないのであれば、ある特定の狭い専門性のみにたよって自分のキャリアを積み上げていくのはリスクが大きいと考えられます。

まとめ

以下、メリットです。

  • 集客できる・重宝される
  • 加速度的に学習が進みやすい
  • 専門分野については優位に立てやすい
以下、デメリットです。
  • 集中投資と同じで、専門性が生かせなくなったときのリスクヘッジができない
  • 働く場所・環境が限定されていく可能性がある
  • 人によっては、勘違いから偉くなってしまう
自分を客観的に評価しながら、キャリを考察していく必要があります。

私ごときのお話で大変恐縮ですが、若いうちから専門にfixしてしまうのは大きな間違いだと思います。

専門にfixしたあとも、ほかの分野からヒントを得る事もたくさんあります。


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