損益計算書とキャッシュフロー計算書

お仕事整形外科医です。

私は、ある財務に関わる資格の2級を持っています。合格率は30%で意外と狭き門なんですが、いまだに保持しています。



無意味な資格に、定額課金状態www

医者として、特に何かの役に立ったことはありませんが、決算書が読めるようにはなりました笑



この勉強を通して貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書に触れることがありました。

今日は、損益計算書とキャッシュフロー計算書についてお話しします。

株を購入する際の指標によく使われる用語や、四季報にも出てくる部分なので少しは知っていてもいいかもしれません。



損益計算書

そもそも、今回のお話をしようと思ったきっかけは、「営業キャッシュフローマージン」という言葉を勉強した際に、会計の知識が役に立ったというのをきっかけに、記事を書き始めました。

営業キャッシュフローマージンとは
「営業キャッシュフロー/売り上げ」で計算される指標で、企業の競争優位性を示すとも言われています。
計算式からは結局、『売り上げのうち、その会社本来の営業で儲けた実際のお金がどれくらいの割合か?』という解釈になります。


売り上げは、損益計算書に記載されます。


売り上げの項目の中には、売るための必要経費が含まれており、実際の利益ではありません。


売り上げから、人件費・広告費・材料費などの諸経費を差し引いて初めて利益となります。(もっと細かくいうと、損益計算書では、経常利益や税の関係も含めて論議すべきですが、ここでは割愛します)


「営業」とは?
ここでいう、「営業」という言葉は、「その会社本来の業務による」というイメージを持ってもらえばいいと思います。

例えば、ラーメン屋であれば、ラーメンをうることで儲けたお金です。ラーメン屋が自分の所有していた土地を売って、収益が出た場合には「営業利益」ではなく「経常利益」に反映されます。


ここで注意が必要なのは損益計算書は、会社が発表するいわば、自己申告に近いものであるため、ごまかしやすいという側面があります。(ちなみに、貸借対照表もです)


例えば、一見、売り上げが伸びているようにもみえて、実は必要経経費を差っ引くと、赤字になっていたり・利益が出ているように見えて、不動産を売りに出して経常利益を黒字にして、純利益を伸ばすことで、営業利益の伸びの悪さを隠してみたり。(もちろん、これくらいなら、しっかり損益計算書を読み込めばわかるのですが、、。)


注意
REITでは、営業キャッシュフローの中に、不動産売却益が含まれていることもあり、注意が必要です。


しかし、読み込んでもわからない部分もあります。


例えば実際には売買が確定していても、相手先からお金が振り込まれるまでに時間的にタイムラグが生じ、売掛け金(打ってはあるけど、未だに回収できていないお金)になっている場合。


損益計算書上では、実際の金銭としての動きはなくても、売買が成立した時点で、お金が動いたと判断して計算上に上がってきます。(これを発生主義といいます 損益計算書は発生主義です)


もし、取引先が倒産して、売掛け金の回収ができなくなった場合に意図的ではなくても損益計算書は不正確な決算書となります。


このほかにも、様々な要因で、作成する側の意図が入りやすいのが損益計算書と言えます。


なので、実際のお金の動きにのみ注目しようというのが、キャッシュフロー計算書です。


実際のお金の流れに注目すると、どんないいことがあるかというと、
  • 数字がごまかしにくい
  • 会社は流動資金といわれる、短期の資金繰りが悪くなると倒産するので手元にいくらお金があるかは大事
  • 発生主義ではないためタイムラグを考えなくていい
という部分です。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書は、臨床でいう、「他覚的な検査所見」に近い印象です。


実際にお金が動いた時にしか、計算書上に反映されないため、売掛け金(売れたけど手元にお金が支払われていないもの)などは、営業キャッシュフローには反映されません。


つまり、作成者の意図が入り込みにくい数字と、言えます。


営業キャッシュフローが赤字のものは、投資対象にはなりにくいと思います。


投資キャッシュフローは、赤字でも構いません。(企業が設備などに投資すれば当然赤字になります。)


しかし、フリーキャッシュフロー(=営業CFー投資CFー財務CF)が何年の赤字の会社は投資対象にはしにくいです。


フリーキャッシュフローがないということは、その名の通り自由に使えるお金がないことを意味しますので、将来は暗いのでは?と予想してしまいます。

まとめ

まったく、会計の知識がないというのも面白くないものです。


手術も、学生の頃は訳が分からず見ているだけでは全く面白くなかった記憶しかありません。


勉強することでおもしろく見えてくることもある。


勉強したものにしか、その勉強の意味合いを理解することはできないという「教育の逆説」を感じます。


下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫)



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