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圧迫骨折はすべて外来治療でもいいのか?

高齢者の圧迫骨折は、外来診療で非常に頻度が高い疾患です。

にも関わらずその標準治療は統一されたものがなく、ただなんとなく伝統的にその病院の上司の指示に従い治療されているところも多くあると思います。

日本では、入院期間の短縮・病床数の減少などから圧迫骨折は外来でも治療可能で、どうしても望まれるのであれば社会的に数日だけ入院ってながれも感じます。

標準的治療も確立されていないのに、入院はなしという矛盾に多くの整形外科医は悩まされるところではないでしょうか?

圧迫骨折の手術適応

圧迫骨折は、治療法の選択肢としてBKP(balloon kyphoplasty)があります。

いくつか論文を読むとその治療自体はいまだに賛否両論のようです。

支持する側の意見としては、急性期の疼痛を減らすことができるという部分。

一方で、数ヶ月するとADLにはBKPによる影響は少ないようです。また、隣接椎体骨折が見られたりもともと低骨密度の人には適応しにくい部分があること、適応自体が急性期の保存治療抵抗性の人に限るわりには、急性期の疼痛解除がおもな役割であるという矛盾があります。

圧迫骨折の偽関節・疼痛残存のリスク因子

今回、いくつかの論文を読んで画像検査によるリスク因子を検討している論文に出会いました。

レントゲン・MRIを用いた研究で、従来の保存治療における成績不良因子を検討した論文でしたが、『胸腰椎移行部の骨折であり、かつミドルコラムに損傷があり、T2強調で限局性の高信号か広範性の低信号エリアがある場合には従来の保存治療に抵抗性であった。』との結果でした。

SPINE ; 2011 Jul 1;36(15):1229-35 Characteristic radiographic or magnetic resonance images of fresh osteoporotic vertebral fractures predicting potential risk for nonunion: a prospective multicenter study. Tsujio T et al .
この論文を引用し、リスク因子のある患者さんに2週間のベッド上安静加療をおこなって、手術を回避できるかを調べた論文がありました。それによると、画像上のリスク因子があってもベッド上安静加療を行なった後の硬性コルセット治療である程度、偽関節や疼痛残存を防げたという結果でした。
The Journal of Japan Osteoporosis Society Vol5 No1 2019: 135-139;船山 徹ら ; 予後不良MRI所見を有する骨粗鬆症性椎体骨折に初期の入院安静による厳密な保存治療にも抵抗した症例の特徴

考察

この結果からは、ベッドや入院期間の問題から、圧迫骨折、外来治療でOKと短絡的に決めつけることには疑問が残ります。

ベッド上安静にも様々なリスクがあることはもちろんですが、ベッド上安静をすべての症例に、「0」にするのが最適解なのかどうか?という問題もあります。

確かに、ベッド上安静に耐えられる人か?という症例に応じた柔軟な対応も必要ですが、なにがなんでも「一律に外来治療!」っていうのは気をつけたほうがいいかもしれません。


骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版

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