慢性疼痛に対する記事を読んで衝撃を受けました。
医療経済学は、医療費が切迫する中かなり重要視されていますが、慢性疼痛がどの程度の経済損失を生み出しているかを試算した結果を紹介します。
有訴者数の統計
有訴者数、つまり、どんな主訴で病院を受診したか?という統計です。
男性は1位が腰痛、2位が肩こり。女性は1位が肩こり、2位が腰痛。
女性に至っては、3位が関節痛ですから、表彰台独占状態です。*平成22年厚生労働省調査より
いかに、整形疾患が多いかというのがわかりますね。
その次が、風邪の諸症状というのが、それよりも多いのか、、と感じさせますね。
医療費・薬代・さらに鍼やマッサージなどの代替医療も含めた直接医療費
年間医療費全体の8%にあたる2兆円の医療費がかかっているとのことです。
2兆円市場の中に、鍼やマッサージもはいっているとのことで、となりの花は赤いではないですが、かなり儲かっているんやろうなぁと感じます。
私は、鍼やマッサージは一概に否定する人間ではありません。患者さんがよくなるのであればエビデンスがなかろうが、それでいいと思います。エビデンスは出てくるまで時間がかかりますし、統計を駆使したエビデンスすらひっくり返ることもありますから。
ですが、ルールをまもって、やっていただきたいなとは思います。
お互いにいがみ合うだけでは患者さんにデメリットですので。
勤労世代の慢性疼痛による就労困難に起因する損失額は年間2300億円
腰痛による、就労困難には心理的な原因が見え隠れします。説明不可能な慢性腰痛では、その多くが患者背景を考慮する必要があります。
もし、勤労世代の就労困難による経済的損失を問題とするのであれば、外来で背景を含めた診察をした時間の診療報酬を加えないと医師は忙しい外来の中でそこまで突っ込んでラポール形成をすることはしないと思います。
このようなどうしても診療時間と報酬に見合わない診療は、大学病院など研究機関が中心で行なっているというのが現状ではないでしょうか?
しかしこの問題で難しいのは、本当に時間をかけて、効果的に診療を行なっているかの審査が難しい部分だと思います。
早期退職者のうち30〜50%を占めている
退職の理由として、身体的な理由のなかに含まれているかもしれませんが、その陰に隠れる心理的・環境的な理由を考慮する必要があります。
この事実は、退職をする企業にも知っていただきたいことで、体の理由ならこちらには非がないというのは間違いな可能性があります。
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