お仕事整形外科医です。
将来のための資産形成目的に投資をしている人も多いと思いますが、ご高齢の方を相手にすることが多い職業柄か、ご高齢者が自身の収入に対してどう感じているか?を拝見する機会があります。
かなり以前のお話ですが、テレビで100歳を超えた双子の姉妹の方が、貯金をしている理由を聞かれた際に「老後の蓄え」という旨のお返事をされたことが話題になったことがありました。
老後のお金には「資産を切り崩して生活する!」と考えられる方もおられるかもしれませんが、外来診療している限りではあまりお勧めできる方法ではありません。
いつまで、お金が必要になるかわからない
老後の資金を切り崩すだけの生活をするということは、今持っている貯金を分割して使用していくことになります。
その場合、貯蓄を分割する分母、つまり何年で分けるか?の問題があります。
医師をしているといろんな老後の方に出会いますが、「その時」はだれにもわからないということを感じます。
平均寿命が延伸する一方で、 医療保険・介護保険の保険料・自己負担は増加傾向です。
外来では、患者さんにもうすこし金銭的に余裕があれば、介護サービスを手厚くして疾患予防ができそうなのに。。。と感じることもあります。
このお金と健康の考え方は、アメリカとちがい、国民皆保険によって守られてきた日本人にはイメージしにくい部分かもしれませんが、医療者側からすると随分前から表面化しています。
また、年齢を重ねると、体の状態によっては「予期しない支出」に見舞われることも出てきますので、ますます難しくなります。
日本人の気質からは、インカムゲインが向いている?
そもそも、日本人は農耕民族ですから「蓄えたがる」気質を持っているともいえます。
貯金が大好きですし、保険も大好きです。逆に、蓄えが減ることに多大な不安を覚えます。
蓄えを切り崩すことに抵抗があるのは、必須です。
以前、何かの記事で、「日本の経済をよくするには働く高齢者の給与水準を上げることだ!」と熱弁されている人がおられましたが個人的には否定的です。
おそらく、これまで述べた理由から、結局貯めることになると思います。
まとめ
こういった、医師にしか、考えが及ばない「資産形成・リタイヤのタイミング・老後の蓄え」に対する考え方もあるのではないかと思います。
医療の発展・新薬の開発の観点からも、今後も、医療費は増え続けるでしょうし、自己負担は増えていくと考えられます。
生活+αのインカムゲイン を目指していきたいものです。
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