お仕事整形外科医です。
株式市場は、高値を維持しており、正直何を買えばいいかわからないです。
初心者なのでしょうがないのですが、そんな時は整形外科医としての真面目な勉強につきます笑。
少し前から、矢状面アライメントについてまとめようと思っていたのですが、なかなか手につかず困っていました。
矢状面アライメントの指標
矢状面アライメントを語られる時にいくつも出てくる指標があります。
これが、英語の略字だらけで、理解していないとさっぱりわかりません。
また、すぐにイメージできるようにまとめておかないとチンプンカンプンになってしまいます。
ここでは、hip spineに注目して指標をまとめます。
PIとは?
PIは骨盤の形態角である、Pelvic Incidenceの略字です。図でしますと、下記になりますが、わからなくて結構です。
大切なことは、大きかったらどうで、小さかったらどうというイメージが掴めることです。
- PIが大きい→ 骨盤後傾がつよい
- PIが小さい→ 骨盤後傾がよわい(前傾である)
このようにまとめると、わかりやすいのではないでしょうか?
LLとは?
LLは、Lumber Lordosisの略です。
再度、お伝えしますが、とにかくイメージを掴むことが重要。
- LLが大きい→ 腰椎前弯がつよい
- LLが小さい→ 腰椎前弯がよわい(後弯である)
という、イメージです。
PI-LLとは?
先ほどまでの二つの指標を用いて、PIとLLの差がどうかというお話しです。
賢い方はお察しできるかと思いますが、私のように安直な方は次のイメージを持っていただけるといいかと思います。
- PI-LLが大きい→正常アライメントに近い
- PI-LLが小さい→腰椎前弯が弱く、骨盤後傾(圧迫骨折+骨盤後傾のイメージ)
PI-LLは10度以上が、正常とも言われています。
SSとは?
SSとはSacral Slopeの略で、骨盤傾斜のことです。
- SSが大きい→骨盤前傾
- SSが小さい→骨盤後傾
△SSとは、立位と臥位のSSの変化量で、変化量が小さいと、立ち座りで、骨盤があまり動かないことを示します。
THA後に、脊椎アライメントに変化が生じるか?
THAをすることで脊椎アライメントに影響が出るかという疑問に着目した論文がありました。
結果はPI-LLが10以下の症例には脊椎アライメントの改善が見られたというものでした。
確かに、もともとのアライメント変化が少ない症例の方が戻りやすいという、イメージしやすい結果だったわけですが、その範囲を示したという点において、有用性はあるのではないかと思います。
△SSの変化値から考える易脱臼性
△SSが小さい、つまり立位と座位で骨盤傾斜があまり変わらない症例においても、二つに分けて考えます。
- SSが大きい(骨盤後傾がつよく、動きが少ない)→ 後方脱臼が多い
- SSが小さい (骨盤前傾が強く、動きが少ない)→前方脱臼が多い
まとめ
難しく、表現されたものも、単純化するとわかりやすくなります。
指標系は特に略語が多くて難儀します。
今回は、自分のメモのようにもなっていますが、いろんな人に参考にしてもらえることを願っています。
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