お仕事整形外科医です。
私は、回復期でも仕事をしているため急性期の先生が手術された後の患者さんのお預かりすることがあります。
術後のレントゲンは素晴らしいものがある一方で、思わず目を疑う症例も存在します。
「きっと、いろんな過程でこうなってしまったんだろうな。。」と考えさせられる症例もあり、明日は我が身と感じながらも、正直手を焼くこともあります。
医療には不確実性がある
医療には、”期待していない結果がどうしても起こりうる”というのは、言われおり、不確実性と言います。
確実な、「効果」を保証されているものではなく、期待していない結果になってしまっても、基本的には医療保険を通してではありますが、患者さん側に金銭負担をいただいているという現状です。
どうしても防ぎきれないことがあるのであれば、起きた時にどう対処するかという部分が医師の力量が問われるところでもあると思います。
回復期で仕事をしていると、あまりいい固定がされていないにもかかわらず、術後のリハビリが理学療法士(PT)任せになり、指示が曖昧で、紹介状の記載もないという悲しい症例にでくわすことがあります。
急性期の入院期間が短くなっているため、医師はその短期間で回復期以降の患者さんの状態の動きを予想し、指示を出す必要があります。
回復期側からすると、急性期で許可されていた安静度を回復期でいきなり下げるのは、患者さんとの信頼関係の面でも難しい部分があります。
やはり、どこまで行っても最後は執刀医の責任であり、患者さんも執刀医を一番信用しているものです。
また、急性期の先生の意図がわからないと、勝手に安静度を変えていいのか?も悩む場面があります。
手術のテクニックと同じくらい必要な信頼関係の構築と維持
先ほどお話しした、不確実性がある以上、患者さんとの信頼関係は非常に大切です。
私は、師からも「トラブルが起きたときは、その後どう対処したかが重要」と教えられてきました。
もちろん、私も人ごとではないという前置きをした上で、問題に対して、時間をしっかりとった、丁寧な説明は非常に大切だと思います。
説明が、その問題自体を解決してくれるものではないかもしれませんが、問題には必ず患者さんの感情があります。
その感情への配慮を示すことが重要です。また、この感情への配慮は我々医師が感じている以上に、看護師・療法士・事務スタッフなど周囲のスタッフがカバーしてくれています。
その点をもって、感謝の気持ちを忘れないことも重要なのかもしれません。
まとめ
患者さん・疾患を、急性期のみでなく、多様な方面から診ることは貴重な経験だと感じています。
もちろん、自分のことを棚に上げて、人様に指導するようなことはしません。
自分の襟を正しながら、見つめ直しながら診察をしていきたいと感じています。
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