ロコモーティブシンドローム・サルコペニア・フレイルなど高齢者を取り巻く、病気ではないけど(現在のところ疾患名としては認められていない)生命予後などに大きく関わる状態が注目されています。
それぞれ定義が異なり、
骨や関節、筋肉など運動器の衰えが原因で「立つ」「歩く」といった機能(移動機能)が低下している状態
ロコモONLINEより
report of the European Working Group on Sarcopenia in Older Peopleより
日本老年医学会雑誌 51巻6号2014より
それぞれ、似て非なるものであることがわかります。
なかでも、フレイルは、心理的フレイル・社会的フレイル・歯科的フレイルなど、”〜的フレイル”というように、いくつもの状態に応じて利用されるものでもあります。
また、それぞれオーバーラップする部分もあり、サルコペニアのある人がロコモーティブシンドロームになりやすい(筋量の少ない人が、運動器・移動能力として機能的に脆弱であるといった感じ)というイメージは湧きやすいかと思います。
一方で、ロコモーティブシンドロームは、筋力・筋量によるもののみではなく、骨関節疾患による移動能力低下も含みます。
その点では、若年でもそのリスクはある(もちろん、若年でもサルコペニアの人もいますが、、)という捉え方になります。
サルコペニアが先か?ロコモーティブシンドロームが先か?
ロコモには、1と2が存在します。
細かな定義は、ロコモONLINEに任せますが、1が軽傷・2が重症と考えていただければいいと思います。
ちなみに、簡易チェックとしては”40cmからの片足による立ち上がりができるか?”が目安となります。
40cmの台を用意するのが難しい人は洋式トイレからの立ち上がりで代用してもらえばいいと思います。日本のほとんどの洋式トイレはこの程度の高さになっています。
これができなければロコモ1です。
ロコモ、サルコペニア、フレイルと疾患概念が多様化していると、どの疾患がどこに含まれていて、何が予防を啓発するものとして有益か?という問題になります。
この問題は、東京大学医学部付属病院22世紀医療センターロコモ予防学講座の吉村典子先生が、様々文献で示されています。
結論は、ロコモ度1が、フレイルやサルコペニアを包括していて、高齢者における運動器機能はまずロコモの移動能力低下から始まり、サルコペニアやフレイルにつながる(文言は、改変)というものでした。
この結論は10年以上の大規模住民コホート研究からの疫学調査であり、かなりの信ぴょう性です。
まとめ
以前は、脳卒中による死亡率が高かった日本ですが、政府のメタボリックシンドロームの啓蒙によりその数は減りました。
平均寿命が続伸する一方で、健康寿命に注目が集まっています。
今後、ロコモーティブシンドロームの啓発・普及・意識づけがロコモ・サルコペニア・フレイルを減らしてくれると期待しています。
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