お仕事整形外科医です。
専門医試験の季節になりました。
とは言っても、もうこの時期まで来れば結果は出ているも同然なのですが、あとは体調管理かと思います。
専門医の話になると、sns上ではその必要性を議論する場面が見られます。
そもそもsnsをしている医師自体が、かなりキワモノキャリアの人間が多いため(私は違いますよwww)、専門医が不要という人間が多数なのではないか?と感じることもあります。
個人的な結論から先に申し上げますと、とりたければ、とればいい。とりたくなければ、とらなければいい。ただし、お互いの選択の批判は不要。です。
”自分にとって、必要かどうかを判断するだけ”です。
ただし、選択するには留意点がありますので、いくつかご紹介します。
専門医必要派の意見
専門医が必要と言う人は、
- 将来、専門医がないとできないことがでるのでは?(←今のところはナイ)
- 専門医がないと、就職できない病院がある(←これはある)
- 中核病院では研修施設認定のために専門医の確保が必要であり、需要がある(←一理ある)
専門医機構が持つ権限がどの程度あるのかわからないため、将来、何かできることが制限されるようになるのかは不明です。
ですが、雇用側から「集客のために専門医をとって欲しい」といわれている先輩Dr(かなり先輩)を見たことはあります。
ある程度年齢を重ねてから、勉強するのもかなりエネルギーがいるため、この点において若いうちにとっておくのは無難だとは思います。
若いうちに、専門医をとるために、時間や労力を費やすのは「その時間がもったいない」という意見もあるようですが、普段どんな時間の使い方をしているのか謎です。
専門医不要派の意見
- 若くて貴重な時期に、専門医を取るためだけに時間やお金を費やすのは無駄
- 専門医持っていても、クソ医者たくさん。
- クリニックなどでは経営を考えず、使えない医師もおおい
- 維持のためのお金と時間もかかる
たしかに、専門医を持っているからといって、すべての人が知識をアップデートされているように感じない医師はたくさんおられます。
個人的には、専門医取得はゴールではなく、スタートだと思っています。
経営を考えているか考えていないかについては、専門医・非専門医というカテゴリーからは外れた論議ではないでしょうか?
維持費・時間は仰せのとおりです。専門医機構に移行してからは、さらにこの問題が悪化する可能性もあ流かと思います。
学会側としても定額課金性で、毎年の収支がはっきりしますので非常にありがたい存在、つまり、しっかりと養分になっていると思います。
お仕事整形外科医の私見
若く貴重な時期に、専門医をとるためにその時間を費やすのが無駄と考える人は、そもそも修行や鍛錬に向かないような気もします。
勉強や経験の必要性は、勉強や経験を積んだものにしかわからないと言う、教育の逆説があります。
やっていない段階から、その必要性をいくら予見しても、その必要性を知ることはできません。
やる前から、自分にとって有益かを考える傾向は、ゆとり教育世代に多いそうですが、この「逆説」は的を得ています。
下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち
m3などの就職要件を見ますと、「専門医を持っている方」というものも見受けられます。
将来自分がどのような道に行くかわからない人や、もしかしたら考え方が変わるかもしれない人。道が変わってもリスクヘッジしたい人の場合には専門医は持っていていいのかもしれません。
中学・高校と勉強しないと、自分の将来の職業選択の道が少しずつ狭まっていくのと同じように、専門医を持ち、選択肢を多く残しておくのは、自分の考えや周囲の環境の変容、社会の変容に対応しやすい状態でいられると考えています。
コメントをどうぞ