【骨粗鬆症性椎体骨折】気を付けたい、予後不良因子

お仕事整形外科医です。


骨粗鬆症性椎体圧迫骨折は、日常診療でも非常に多く見かけます。


しかし、その治療方法についてはいまだに議論が分かれており、施設間でも大きな差があります。


病院によっては入院適応自体をかなり高く設定しているところもあります。


急性期に疼痛が強いのは当たり前ですが、客観な予後不良因子を知っておく必要があります。


結論から先に言いますと、

  1. 後壁損傷
  2. MRIで椎体内 T2びまん性high
  3. MRIで椎体内液体貯留
  4. MRIで椎体内 T1びまん性low
  5. T2で限局性高信号(おそらく、3の液体貯留と同じことを指しています)か、びまん性低信号

が、予後不良つまり、圧潰が進行しやすいタイプのようです。


ですが、2つの文献から持ってきた内容ですが、それぞれ治療に関しては別の方法をとっており、やはり治療と直結というわけではないようです。


今回は、これらについて解説していきます。

参考文献
日本骨粗鬆症学会雑誌 Vol6.No.2 2020:76-80
Spine (Phila Pa 1976). 2011 Jul 1;36(15):1229-35

治療法と直結しなくても、「圧潰が進行しやすいタイプ」だとわかるだけでもいいよな。。

事前に家族に説明できたり、慎重にみていく対象としてしばらく入院を勧めたりできる可能性があります。
BKPにつなぐという可能性も考えられます





後壁損傷

これは、以前から言われている内容です。


ちょっと話がそれますが、椎体には3コラムセオリーという、椎体を3つ部位に分ける分類があります。


よく間違われるのですが、

  • anterior columnは椎体前方1/2まで
  • middle columnは椎体後方1/2(後壁はココです)
  • posterior columnは椎間関節部分
となります。(詳細はここでは述べてません)


椎体の後壁損傷はmiddle columnの損傷です。

MRI画像

MRI画像では、それぞれの文献ですこし表現が異なります。


しかし、要は、

  • T2では椎体内部に限局した液体のようなhighとびまん性のlowはやばい。
  • T1ではびまん性のlowがやばい

ってことのようです。 急性期ではT2high T1lowが基本ですから、なんとなくイメージはつきやすいのですが、びまん性T2 lowがイメージつきにくい部分です。


理由は、、、、。すいませんわかりません。(誰かわかったら、問い合わせか、コメントから教えてくださいwww)

椎体骨折のMRI画像時系列

MRI画像の時系列も、ここでおさらいします。


簡単にいうと、

  • 急性期は、脂肪抑制T2 high T1 low
  • 慢性期はT1が先に信号変化が戻り、T2が後から戻る
通常の経過であれば、信号変化は、T1が4週でピークを迎え、T2が8週でピークを迎えます。


そこから徐々に信号変化が元に戻っていくイメージです。





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