お仕事整形外科医です。
日常診療では、期待した結果とならずに残念な思いをすることもあります。
整形外科では手術も扱うため、術後に内科的に疾患になったり、血栓症・インプラント破損・最転位など合併症が起こりえます。
もちろん、内科疾患についても、通常期待される効果が得られずにside effectのみが表出されてしまうこともあると思います。
整形外科の手術では、インプラントを多く扱うことがあるため、”術後のインプラント破損が原因で”という表現をされることが多く見られます。
ですが、インプラント破損の原因が本当にインプラントに問題があったのかを考えることが必要だという報告があります。
本当にインプラントのせいなのか?
“Implant Failure”という言葉があるように、インプラントによって失敗したと訴える整形外科医は多く見られます。
恥ずかしながら、若手の頃は私もそのような経験があったように思います。
本当にインプラントのせいで、インプラントが折損したりしているのか?という調査を日本整形外科学会が行っています。
この調査結果によりますと、インプラントが原因でインプラント破損を生じたものはなく、インプラントの不適切使用か適応外使用によるインプラント破損がほとんどであったようです。
つまり、インプラントを作成しているメーカーに問題があるのではなく、それを使用する整形外科医に問題があるということです。
残念な結果を、インプラントや患者のせいだけにしない
術者が思い描いたような結果にならなかった場合に、すぐにインプラントや患者のせいにする整形外科医よく見かけます。
しかし、思い描いた結果にならない状況は多因子であることがほとんどです。
確かに、患者さんが荷重制限を守ってくれない時もあります。
その場合も、術前にそれを予期し、固定方法を選択することはできなかったか?など、自問する必要があるのかもしれません。
また、インプラントが壊れても、整復位が悪くて骨癒合が得られず結果負荷がかかりインプラント破損につながったのではないか?など自分が何かできることはなかったか?という目で見ることも大切青だと思います。
いつまでも、他の因子のせいにだけしていたのでは、成長はありません。
まとめ
一方で、防ぎきれない、予期できないことが生じることもあることも事実です。
その度に、次自分に何ができるかを考えるためにも、振り返り・復習する作業は重要と言えます。
今後、”インプラントが壊れたのは、インプラントのみが悪い”という主張は通らないということを自覚するべきです。
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