ビタミンDの充足率の計測方法・注意点

ビタミンDはその充足率により、充足・不足・欠乏に分けられます。

整形で関わるとすれば、転倒の予防や、筋力低下の予防、血中Caの維持に寄与すると言われていますが、日本人ではほぼ日充足状態(不足か欠乏)です。

実際、普段の食べ物からの摂取・充足がむずかしく、海外では、ミルクに溶かされているなどして対策されていますが、ナチュラル志向が強い日本では対応されていないのが現状です。

ビタミンDの充足率検査

骨粗鬆症治療開始前に骨代謝マーカーを測定するのと同時に、採血してしまいます。通常の生化学的検査スピッツで可能です。ポイントは25(OH)VitDを計測すること。それ以外の計測は無意味です。

理由は、ビタミンD欠乏症は代償性に上昇したiPTHの作用により1,25(OH)2Dが正常から高値になっている症例があるためです。故に25(OH)Dが検査として必要になります。

これまで外来で充足してます!って人は、30人に1人くらいの印象で、ほぼいません。

腎障害などがあるとビタミンDの活性化障害を起こしている可能性もたかく、腎不全+骨粗鬆症ではVitDの充足が必要です。

しかし、腎不全の人へのビタミンD投与は注意点もありますので、次の項目を参照ください。

骨粗鬆症治療開始前の検査項目

忙しい外来では、スキップされがちですが、検査をセットに組んでしまえば簡単です。

今回は原発性に限ってお話しします。

血液検査
・総蛋白
・アルブミン
・AST/ALT
・BUN/Cr
・Na/K/Cl/Ca/リン(リンは腎不全ありそうな人は特に) ・TRACP-5b
・P1NP
・25(OH)D(ECLIA法)
尿検査 ・一般検査のみ

ビタミンDの注意点

高カルシウム血症になると、腎障害につながります。

ビタミン剤とはいえ、電解質の定期的な確認は必要になりますし、腎機能に応じて量の調整も必要です。

腎臓内科の先生からは、にらまれていますよ笑。

ビタミンD内服の効果判定

残念ながら、活性化ビタミンDを投与して、その充足率を計測する検査はありません。ってことは内服開始したら永続的に投与していくってことか。。。ってのが今の現状です。25(OH)VitDを計測しても無意味で、保険で切られる可能性もあるので注意してください。

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骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版
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