私は、勝手に日本で初めて骨折の術前計画だけをフューチャーした本を書いた人間だと自負しています。
2018年の8月にkindleベースですが出版を開始し、その後改定を重ねて、現在3版くらいの状態です。
もともと、大学病院で後輩の指導をすることも多かったのですが、大学では術前のカンファレンスを通すことが重要で、そこで”いかにその骨折症例に対して考えているか?”をアピールすることが重要でした。
骨折は、一般市中病院でも、関節や脊椎の別に専門を持つ先生が指導医として、片手間に治療や指導をされていることが多く、若手がまず学ぶ機会が多い分野でありながら教育がしっかりなされていることがすくないという矛盾を抱えています。
私は、自分の指導していた医師から「何で術前計画の立て方を勉強したのか?」聞かれる機会があり、自分もしっかりと本で勉強した覚えがないことに気がつきました。
骨折の術前計画についての教育
骨折の術前計画は、手術よりも重要と言われます。実際骨折治療学会の、教育研修公演でもその重要性については口すっぱく言われます。しかし、実際にはそれを学ぶ機会は少なく、なんとなく伝統的に上司から伝え聞いてくるようなスタイルです。
もともと、骨折治療は系統的に教育されてくることが少なく、そこでAO財団が系統的に骨折を分類し治療に結びつけ、さらに教育を重視することにより、勢力を拡大してきた面があります。
伝統的な、いわゆる”伝え聞き”では、上司に恵まれなかった場合、学びの機会は奪われてしまいます。
また、上司からの教育が間違っていた場合には、誤った方法を学んでしまうというデメリットもあります。
骨折の術前計画だけの本を作るにあたり
私の本も完璧ではないと思います。もちろん伝統的な知識に、自分なりの経験を踏まえて肉付けしただけのものですので、批判があったり、間違いもあるかもしれません。
しかし、何もないところから学ぶよりも短いルートで次のステップに到達することができますので、今後の発展の一助にはなると思っています。
また、細かな骨折型知による、術前計画をひとつひとつ作っていては、かなりの容量となるため、総論を述べているだけです。
それでも、
- 手術までの準備
- 作図の仕方
- 検査の必要性
- 骨折手術の因数分解
など、最低限必要な知識は記載しています。
骨折の術前計画不足をなくしたい
骨折の術前計画がないのは、設計図なしで家を建てるようなものです。
整形外科の手術は時間に限りがありますので、より綿密な計画が必要です。
手術中に手を止めないためにも計画を立てて頭に入れる作業は必須です。
私は、術前計画がなかったために”いまひとつ”な治療になった症例もたくさん見ましたし、経験しました。
今後そのようなことが少しでも減るように、踏み台にしてもらえれば幸いです。
まとめ
なければ作ってしまえ!という気持ちで作りました。
医局をやめて、後輩に教育することが減った私ですが、少しでも整形外科の発展に寄与できればと願っています。
管理人の著書
骨折手術の術前計画だけの本: 若手整形外科医向け!骨折治療が楽しくなる
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