骨粗鬆症患者さんに対する、血中25OHビタミンDはECLIA法による計測が保険上認められています。
骨粗鬆症におけるビタミンDの重要性は整形外科医であれば周知かもしれません。もともとはアルファロールという、不活性型のVitDが処方されていましたが、エディロールが発売されてから、活性型のVitDの内服に切り替わって行っています。
VitDは、人が日光を浴びることで活性化し、その効果を発揮しますが、とりわけ屋外での行動がすくない高齢者に対して、はじめから活性化したVitDを投与できることはアドバンテージが大きいといえます。
実際の骨粗鬆症ガイドラインでも、不活性型VitDよりも活性型VitDの方が有効性が認められている事象が多く、今後はエディロール1択(最近、後発品がでました。一般名はエルデカルシトールです)となりそうです。
しかし、エルデカルシトール特有の注意点もありますのでご紹介します。
- ビタミンDは25OHビタミンDを計測
- エルデカルシトール内服の注意点
- エルデカルシトール処方後に、その充足状態を計測することは不可能
なぜ、25OHビタミンDを計測する?
この内容も、実はいまだに質問が多い部分なので解説します。
そもそも、活性型ビタミンDを計測するのであれば、1,25(OH)ビタミンDを計測すればいいように感じます。
しかし、ビタミンD欠乏症においては、代償性に上昇したiPTHの作用により1,25(OH)2Dが正常から高値になっている症例があるため、25(OH)Dを検査の項目として設定しています。
また、保険上はECLIA法を用いた検査方法のみが骨粗鬆症の病名での対象になっており、その他の検査方法によるものは、くる病においては保険が通りますが、骨粗鬆症では通らないようです。(地域によって多少の差はあるかもしれません)
日本人では充足してます!って人は、かなり少数のようです。
腎障害などがあると、ビタミンDの活性化障害を起こしている可能性もたかく、腎不全+骨粗鬆症ではVitDの充足が必要です。
しかし、腎不全の患者へのビタミンD投与は注意点もありますので、次の項目を参照ください。
エルデカルシトール内服の注意点
不活性化ビタミンDとの大きな違いとして、規格の問題があります。
アルファロール(不活性化ビタミンD)の場合は、0.25、0.5、1などがありました。
一方、エディロールは0.5と1しかなく、0.25がありません。
しかもカプセル製剤なので、割ることはできません。
こうなると問題になるのは腎障害がある方への投与です。腎障害があり、カルシウムの排泄が遅延している場合、エルデカルシトールで高Ca血症を引き起こす可能性があります。高Ca血症は腎障害を誘発しますので悪循環に入るということです。
アルファカルシトール製剤と比較して、作用力も高いため注視していると、経時的に血中Ca濃度が上昇していく症例に意外と頻度よく遭遇します。
また、整形外科医は腎障害がある人の骨粗鬆症治療にビタミンDを使用するのが好きなので、とりわけ注意が必要です。
エルデカルシトール内服後の充足率評価
エルデカルシトールを処方すると、活性化VitDの充足率を計測したくなります。
しかし、エディロールによる血中ビタミンDの充足率は25OHビタミンDでは計測できないという欠点があります。
つまり、今のところ、エルデカルシトール製剤を使用すると、その後の治療による評価やモニタリングができないという問題点があります。
つまり、高Ca血症を引き起こさない限りは続けるしかないというループに入ります。
早急に、評価項目の設定が求められますが、現段階では手探りと言わざるを得ない状況です。
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