【学び納め?】足底腱膜症の勉強で、外傷治療を見直す

お仕事整形外科医です。


恥ずかしながら、日常診療で意外とおおい、足の疾患に苦手意識があります。

実際に整形外科医のなかには、同じように感じている方が多いようで、時々話題に上がります。

いつも、この話題とセットとして海外では足の医師というのが一般的な医師とは別に存在する国があるとことが話題になりますが、それだけ奥が深い学問であることがわかります。






足の先生の前で踵骨骨折の発表とか、緊張感半端ない
足の先生から「教えていただきたのですが・・・。」という質問をうけると、ほぼ破滅フラグ



参考文献
関節外科 2021 Vol40 No.1
足の疾患についてまとめてあります。とても参考になる雑誌でした。

足底腱膜症の超音波所見

4mm以上の肥厚で足底腱膜症を疑ってもいいようです。

いままでは、ドップラーで付着部の血流増加がないかを見にいくだけのことがおおかったのですが、今後は太さの計測も行ってみたいと思います。

足底腱膜症の治療

足底腱膜症は、意外と日常診療において多いにもかかわらず、なんとなく痛み止めと塗り薬・運動療法で様子をみて、改善なければアーチサポートという流れで見ていました。

(よくなっているのか、悪くなって他に行かれているのかわかりませんが)、次回診察時に来なくなられることがあります。

参考にした文献でも、確かにほとんどは保存治療で6ヶ月以内に改善するような書き方になっていました。

保存治療に抵抗するのは1〜10%のみとのことで、難治例にはESWLや手術加療が選択されるそうです。

足底腱膜症の手術治療から学ぶ、外傷治療のtips

今回参考にさせていただいた文献を読んで、足底腱膜症の治療に、腓腹筋内側頭の切離術というものがあることを初めて知りました。

この発見もさることながら、実は、以前から脛骨近位部骨折で後方アプローチ(Burks)を行うときに、外側まで展開を広げる際に、 腓腹筋の内側頭を切離して、のちにリペアする先生のお話を思い出しました。

腓腹筋は、下腿の非常に大きな筋肉であり、外傷治療のためとはいえ、一旦切離することで、アキレス腱断裂のような筋力低下を危惧していたのですが、足底腱膜症で腓腹筋内側頭を切離しても、足関節の背屈筋力は変化がないという報告があるようで、別のアプローチから外傷疾患の疑問を解決することができました。

このように、学びはどこから来るかはわからず、専門とするもの以外の多分野から気づきを与えられることも多々あります。

その意味でも、専門ではないからと学びを止めるのではなく、最低限の知識のアップデートはしながら、知見の幅を増やしていくことは重要だと感じます。

近年は、若い先生もすぐに専門分野に特化したがりますが、初期は幅広く勉強することも、長期的にはメリットが大きいと思います。








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