インプラント周囲感染(PJI)の対応

大学病院を離れるとすっかり、インプラント周囲感染(PJI)の治療に携わることも減りましたが、0にはならないPJI。

今回は、この辺の知識をアップデートしました。

引用文献
関節外科40 .4月号増刊 2021

ご紹介できる範囲はごく一部であり、上記はPJIについてとてもよく書かれています。

ぜひ、購入してください!




なるべくさけたいPJI
でも、しっとかなくてはPJI



PJI疑うも培養陰性

PJIを疑うも、培養陰性のことは稀にあります。

もちろん事前に抗生剤が使用されている場合には論外ですが、検体摂取を先行させても培養が陰性にでることがあります。

旧前であれば、培養陰性になる原因は検体の採取不足や、不良かと考えることもあったのですが、通常の培養検査の環境では発育しない種があるようです。(この状態をVBNCの状態というようですが、詳細については原著をご確認ください。)

基本的にはこの場合、黄色ブドウ球菌を第一ターゲットに抗菌薬を選択するとのことです。

そうなんや・・・。知らん間に変わってるもんやね

関わることが減っても、アプデは必須やな

近年増えているMRSAに対する薬剤の特徴

MRSAと聞けば「バンコマイシン」と二言目には答えるくらいの知識しかない、整形外科医も多かったと思いますが(私も)、近年は続々と新薬が出てきています。

そもそも、バンコマイシンは骨や南部組織への組織移行性が悪く、全身投与する抗生剤としてはそれほど適していないと言われています。

バンコマイシン以外のMRSA治療薬として、リネゾリド(ザイボックス)、タプトマイシン(キュビシン)、デジゾリドリン(シベクトロ)があげられます。

それぞれ特徴は、

  • リネゾリド(ザイボックス)は骨移行性がいい
  • タプトマイシン(キュビシン)はバイオフィルム透過性にすぐれ、難治例や手術不能例に使用する
  • デジゾリドリン(シベクトロ)はリネゾリドと同じ種類の抗菌薬だが、副作用が少なく使用しやすい
リネゾリドについては、薬科の面もありますが、骨髄抑制などの副作用による使いにくいさが指摘されることがあります。

バイオフィルムの貫通性を期待して、リファンピシンを使われることがあると思いますが、単独では耐性化を誘導するため必ず多剤併用にする必要がある。一方で、リネゾリド(ザイボックス)との併用は避ける必要があります。

なかなかのボリュームですが、おすすめできる内容です
ぜひ、ご一読を!! COIは悲しみの「なし!!!」


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