骨粗鬆症診療において、頻度は低くないにしても出くわすことがある続発性骨粗鬆症の鑑別についてのお話しです。
整形外科医は骨粗鬆症を初診で診断することが多々ありますが、典型的な閉経後女性というわけでもなく骨粗鬆症を診断した際には鑑別が必要です。
また、治療に対する反応が悪い場合にも原因疾患を鑑別する必要が出てきます。
中でも、治療方針が変わってきてしまうものは要注意です。
具体的には、
- 甲状腺機能亢進症
- 骨Paget病
- 多発性骨髄腫
- 関節リウマチ
- FGF23関連低リン血症
などがあげられます。
きたね。本業記事
ゲームキャプチャーのレビュー書いてる場合じゃないだろwwww
まとめ
- 必要な検査は?これはやっとこ
- 薬剤性の鑑別も必要。ステロイド以外にも注意必要なものも!?
- 生活習慣にも聴取が必要
今回は先天性のもの(骨形成不全・Marfanなど)のお話は触れるくらいしかしません。
全部話すと長くなるから最低限な。
参考文献
骨粗鬆症学会雑誌 Vol.7 No.1 2021
必要な検査
血液検査からお伝えします。
- Ca
- Alb
- P
- ALP
- 肝機能
- コレステロール
- 血糖
- CRP
Caは高いと、原発性副甲状腺機能亢進症を疑います。低いと、ビタミンD欠乏を疑いましょう。
ALPは補正Caが必要な時に使用します。
ちなみに、すでにビタミンD製剤が導入されている場合には、高Ca血症に注意が必要です。デノスマブが導入されている方の場合には、とくに投与初期に低Ca血症を起こすことがあり注意が必要です
Pは低いと、骨軟化症やビタミンD欠乏症を疑います。
ALPは高いと原発性副甲状腺機能亢進症・甲状腺機能亢進症・骨軟化症・骨Paget病を疑います。
甲状腺機能亢進症はそのままですが、TSH、FreeT4を計測する人もおられます。
肝機能以上は肝硬変などの重篤な肝疾患の鑑別に、低コレステロール血症は甲状腺機能亢進症、高血糖は糖尿病やステロイド内服を疑います。
CRPは関節リウマチなど慢性炎症疾患を鑑別にあげます。
まずは、検査を出しておいて異常が出たら考えるでもいいかもしれませんけどね。
コレだから整形外科医は馬鹿にされんだよwww
尿検査も必要です
- 尿糖
- 尿蛋白
- 生化学(高カルシウム尿症・リン排泄上昇 )
尿糖はそのまんま糖尿病を疑います。(もちろん検出されない糖尿病もありますよ・・・・念の為。)
近年、糖尿病は生活習慣病性関連の骨粗鬆症の一つとして疾患概念がやや変わりつつあります。
尿蛋白は、重要な鑑別である多発性骨髄腫を鑑別します。高カルシウム尿症は原発性幅甲状腺機能亢進症などを鑑別します。
リンの排泄上昇はFGF23関連低リン血症と鉄剤の静脈投与を疑います。
FGF23関連低リン血症は私もカンファレンスで一度見たことがあるだけですが、若年の骨折を契機に判明した方でした。この疾患を疑った場合には、大きな医療機関で扱った方がいい疾患ですので、手に負えない場合は早期に送るべきです。
薬剤性の鑑別
ステロイド性骨粗鬆症は非常に有名かと思いますがそのほかにも、抗けいれん薬やワーファリン、性ホルモン低下療法治療薬、SSRI、MTX、ヘパリンなども薬剤性骨粗鬆症として鑑別が必要になります。
SSRIは近年整形外科医も処方することが出てきましたので注意が必要です。
また、ワーファリン内服者も高齢者の増加に伴い増えてきています。
疑っても、内服する必要のある原疾患の治療や予防として、継続が必要な場合には継続することになります。
生活習慣の聴取
先程ちらっと述べましたが、生活習慣病関連の骨粗鬆症も近年注目されています。
具体的には、
- 糖尿病
- COPD
- アルコール
が、挙げられます。
高齢男性の骨粗鬆症患者さんの場合、これらの生活習慣是正が必要な場合も多く、注意深く聴取する必要があります。
新着記事
【ポータブル電源】家族持ちなら即購入?ただし購入体験は最悪。 【買い!】echo show15の半年使用後レビュー 【保存版】顎骨壊死を懸念してビスホスホネート製剤の予防的休薬は不要!?コメントをどうぞ