【必読】「大腿骨近位部骨折患者は週末入院の方が死亡率が高い」は、本当!?

大腿骨頸部骨折は、待機時間が長くなると合併症(内科的なものも含めて)、死亡率が上昇することが知られています。

そのため、24時間、48時間など時間に多少の差はあれ、可能な限り早急に手術加療を行った方がいいことは自明です。

一方、病院の機能には限界があり、休日など病院がon timeでない時に入院が発生すると、どうしても通常営業している時まで待って、内科の診察をしてもらい、許可を得てから手術加療という後手後手の流れになってしまう部分があります。

そのため、以前から平日入院の方が(受傷当日入院を前提としての話です)待機時間が短く、成績がいいのでは?と心の中で思ってしまう時がありました。
確かに、休日の方が待機期間がどうしても長くなる印象があるよな。

参考文献
大腿骨近位部骨折患者の週末入院は死亡率に影響しない 深澤 高広ら ;骨折 第43 巻 No.1 2021 34-36
まとめ
  • 休日に骨折すると予後が悪い?
  • システム構築がキモ
  • 論文から見た意外な側面



休日に手術をすると予後が悪いか?

今回紹介している論文の孫引きにはなりますが、この意見については賛否があるようです。

論文によっては、「平日の方が死亡率が上がる」、また他のでは「変わらない」など・・。

今回紹介している論文では、休日でも内科の先生が休日もプロトコルに沿って対応し、手術室も準緊急扱いで使用可能。平日、休日関係なく周術期管理をおこない入院後48時間以内に早期手術を基本としているというなんともウラヤマシい案件です。

この条件が構築されていれば、休日でも平日でも死亡率に差がないというのは、うなづけます。 

限界としては、もともと死亡数が少ないため、もっと症例数を増やすとどうなるかはわかりませんが、印象としてはかわらないのでは?と感じます。

精査はしていませんが、差があると答えた論文のなかでは、平日と休日の医療体制に如実な差があり、それが大きな影響をきたしている可能性は否めません。

システム構築について

こうなると、医療体制構築がキモです。

普段から内科との間での風通し手が悪いと、なかなか理解がえら得ず、内科の診察が休日に受けられないという状態になります。

欧米では、大腿骨骨折を緊急手術の適応と位置付け対応していたり、そもそも内科も一緒にfirst touchを行う施設もあります。

日本では私の把握する限りでは、富山市民病院が先進的に行っておられた記憶があります。

その論文でも、やはり他科との連携がひとつのキーになるような書き方がされていたように記憶しています。

整形老年病医っているの?

整形外科の疾患に長けていそうな内科医というのが、海外には存在するようで、今後日本でも同じように、整形単科病院に勤める内科医って需要が増し増しになってくる気がします。(既にいると思いますが)

これに、さらに、嚥下評価・深部静脈血栓症の診断と治療も行えるとなると、整形外科としてはかなり助かる内科の先生になれますので、だれか目指してください!!



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