お仕事整形外科医です。
近年は、ネットで検索すると、大量の情報があります。
もちろん嘘もあれば本当もある。個人がメディアをもち、情報発信がこれほど気軽になったため嘘を全て規制することは不可能です。
偽の医療情報もあれば、犯罪ギリギリのものまで多発しています。
そんな中、私たちにできることは、抜いては生えてくる雑草を刈り取ることではなく、雑草の中に良質な情報を大きく掲げることだと思います。
規制しきれないグレー情報
先ほども述べたように、情報発信を完全に規制することは不可能ともいえますs。
とくに、医学情報については、本当にその情報が完全に偽りと言えるか?悪意があると言えるか?を証明することは困難です。
ある情報を否定するにも、エビデンスが必要と言われると時間と犠牲を伴う可能性があります。その間にも情報は拡散されますし、新しい情報も生まれてきます。
つまり、出てくるクソ情報を刈り取るには時間とコストがかかりすぎるのです。
よく、SNSでとんでも医療を批判、締め出そうとする医師がおられますが、ほとんど無意味と言ってもいいほどコスパが最悪です。
シンボルとなる情報を発信する
刈り取るのが困難なのであれば、信頼ができる情報発信源を生み出すしかありません。
本来であればそれは、厚生労働省や学会が行うべきなのですが、残念ながら情報発信力不足だったり、発信する内容が一般向けとしては難解だったりします。
よくCMで言われることですが、小学校1年生にもわかるような情報にしないと一般には受け入れてもらえません。
しかし、学術的なことは、慎重に発信されることがほとんどですし、その分言葉選びが難解になりがちです。
誰にでもわかりやすく、かつ正しいとされる医学情報。さらには、多くの人に発信する力を併せ持つことは非常に難しいですが、これも今後、人を救う一つの
能力になりうると思います。
医師が情報を発信すること
医学情報は、正しいとされるものに近ければ近いほど、一般のひとにはインパクトが少なく退屈で、わかりにくいです。
また、医師が情報発信を積極的にすること自体が否定されやすい世の中でもあります。
患者さん側に、正しい医療知識を選択する技術を身につけていただくことも大事ですが、おそらく、間違った医学情報に流れてしまう患者さんの中には、一般的な医療機関にかかり、その対応や説明に絶望し、心が救われることなく診察を終え、すこしでも希望を言ってくれる、非一般的な医療知識をもつものに流れてしまっている人もいると思います。
それを考えると、間違った医学情報に踊らされる人を避難するのではなく、自分の襟を正す行為も医療者側には必要なのかもしれません。
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