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【メモ】大腿骨転子部骨折での整復困難症例のパターン

お仕事整形外科医です。


monthly orthopaedics 33 No.1で、大腿骨転子部骨折の治療についてのアップデートが掲載されていました。


発売はちょっと前なんですが、スルーしてしまっていたのと、やっぱり大学をでるとこういう資料系がなかなか閲覧できる機会が減ってしまい、やっと今になって読むことができました。


遭遇頻度の高い骨折として転子部骨折がありますが、たくさん症例を重ねると、「なんとなくこれ牽引とか、外からの整復だと治らなそうだな・・・。」って症例に遭遇します。


この「なんとなく」を分類から言語化することができなかったのですが、今回、きれいに言語化されていました。


参考文献
Monthly Orthopaedics 33 No.1 2020

整形外科らしい内容!!!

そのことを忘れさせるくらい、内容の薄いブログwwww







内反陥入+後方支持欠損型転子部骨折(VIPS)

レントゲン正面像で内反貫入しており、かつ、レントゲン2方向やCTにて後方支持欠損(小転子や大転子含む)がある症例を指します。


そもそも、後方支持欠損がある場合には不安定であり、術後レントゲン側面がsubtype Aにする必要があると言われています。


VIPS症例は、小切開やピンなどの使用をせずに牽引などのみで治せる症例が14%と、少ないことが示されています。


著者の徳永先生もご指摘のように、経験的に整復に一手間必要と感じておられたものを数字としてだされています。


また、その整復方法にも言及されています。


内反変形は牽引・外転で一度外す。


その後残存するsubtype Pについては、キルシュナー2本を使用してintrafocal pinningのように整復したり、ラグ刺入部からの整復ツールを用いたりする。(私は個人的にエレバを使用していましたが、徳永先生は粗鬆骨で前方成分破綻を生じさせないためにもキルシュナーを推奨されていました)


それでも難し場合には、ラグ刺入部から展開し、腸骨大腿靭帯を剥離する方法を詳細に書かれておられました。


整復方法・そのステップについては、原文が非常にわかりやすく書かれているため、オススメです。

大腿骨転子間骨折(リバースタイプを含む)

まず、恥ずかしながら言葉の定義から知らなかったのですが、転子部骨折の中の1分類として転子間骨折があるようです。


転子間骨折の定義
外側広筋稜より遠位の外側骨皮質の骨折線が内側骨皮質と連続するもの


この場合、遠位骨片は内側近位へ転位し、ときに骨頭近くまで牽引されることがあり、本文中にあるレントゲンをみると、「みたことあるー」「これ絶対むずかしいやつ」ってわかるレントゲンをしています。


二村先生は、転子間骨折を3パターンに分類されておられます。


  • TypeⅠ 外側壁損傷+主骨折線が内側線維側近傍に走行するパターン
  • TypeⅡ 横骨折から単斜骨折
  • TypeⅢ いわゆるreverse type
です。


TypeⅠはCHStypeなら大転子サポート付きにする必要があり、nailもいい適応。


TypeⅡは整復保持が難しい(横骨折のため)が、ロングまでは必要ない可能性がある。


TypeⅢは遠位の内側転位を外側に鈎で引き出して、アライメントを確保する。ロングネイルが無難。


文中には、「TypeⅡ・Ⅲでは小転子骨片を有する場合は遠位骨片の内側転位が小さい」とされています。


この感覚は私も、よく感じるところで、腸腰筋によって遠位骨片が内側近位に引かれるためだと思いますが、牽引がほとんどきかない人の場合(筋肉がしっかりしている人など)、むしろ小転子を落とした方が整復しやすい?と感じてしまう時があります。


これについては、今回参考にした文中には言及されていませんし、私の勝手な印象です。


typeⅠ・Ⅲについては、ワイヤリングが有効な場合がありますが、特にⅢでは骨折線にワイヤーが噛み込まないように注意が必要とのことでした。


こちらも、原文は非常にわかりやすく書かれていますのでオススメです。

まとめ

術前計画を立てる上で、整復が間接的な牽引などのみで容易に可能かを考える必要があります。


逆に、難しい場合には上司の手を借りる、ツールを用意するなどを考える必要もあり、この上においても分類を言語化して知ることは重要だと思います。




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