お仕事整形外科医です。
今回は、マニアックネタですが、骨折の手術治療に使用するキルシュナーについての記事です。
そういえば、若手の頃(今も。。?)にキルシュナーの太さの感覚が上司とあわなくて悩んだ経験があります。
人間の骨の太さや骨質は差があるので、あくまで一般論や私見を超えることはできないのですが、これまで目安すらなかったかな?と思い、あくまで目安を作成してみました。
情報は適宜更新される可能性がありますので、ご注意ください。
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成人の上肢
成人の場合は、本来なら骨質によっても分ける必要があります。
骨質が弱いと、キルシュナーが太く・強すぎると骨をカットアウトすることもありますし、逆に細いと仮固定が破綻しやすいという側面もあります。
あくまで目安です。
整復とkapandiという言葉が入り乱れていますが、細かいことが気になる方は読まないでください笑。
kapandi法はSauve-Kapandji法ではなく、骨折部からキルシュナーを挿入してテコのように整復する操作のことを指しています。
成人の下肢
こちらも目安です。
ちなみに私は、大腿骨近位の整復時にエレバ曲げたこともあります。
当然師長に怒られました。
キルシュナーのなんとなくのイメージ
次に、キルシュナーの感覚的な分類です。
なんとも個人的な表に仕上がりましたが目安として利用してください。
曲がりは、キルシュナー挿入後に曲げて皮下に埋めたりすることもあると思うのですが、その際の感覚です。
3mmを曲げられる人はほぼいないと思います。これを、皮下にまげて埋めるのは難しいです。
できても、ちょい曲げて骨の中に迷入しないようにするくらいかとおもいます。
踵骨骨折は、牽引して内反をとるときは3mmを使用することがあります。
タンタイプの骨片整復の際にはjoy stick(要は、骨にキルシュナー串刺しにして骨片を動かす操作です)としてキルシュナーを用いる時があります。
小児の場合
一番難しいのが、この部分だと思います。
年齢で分けても、体の大きさも違いますし、明確に分けることが難しいです。
こちらもあくまで目安ですのでご注意ください。
まとめ
あくまで目安ですが、目安さえもあまり文面として見ることがないので、図にしてみました。
骨質・骨の大きさ・皮膚の状況・利用目的などによって、利用するキルシュナーは変わります。
この文章を含めて、骨折手術術前計画だけの本に記載しておりますで、是非購入!お願いします!
結局、宣伝になってしまいましたが、骨折は事前の知識、計画が非常に重要です。
そこで8割以上決まっていると言っても過言ではないと思います。(「9割・もしくは全て決まっている!」という人もいるくらいです)
是非、参照してください!
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